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  1. 福岡県議会 2017-09-12
    平成29年9月定例会(第12日) 本文


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(樋口 明君) ただいまから本日の会議を開きます。  日程に従い一般質問を行います。順次発言を許可いたします。川端耕一君。(拍手) *川端議員質問 2 ◯十五番(川端 耕一君)登壇 皆さん、おはようございます。自民党県議団の川端耕一でございます。朝一からの質問に感謝申し上げます。県の危機管理体制について質問したいと思います。  まず初めに、七月の九州北部豪雨で被災されました朝倉市、東峰村を初めとする被災された皆様に衷心よりのお見舞いとお亡くなりになられました方々に対しまして哀悼の意を表します。一日も早い復興、復旧を祈念いたすところでございます。  県の危機管理体制について質問です。九州北部豪雨、熊本の大震災、先日の十八号の台風、そして北朝鮮のミサイルと、本当に予測のつかない大規模な災害が現実となり、改めて何が起こるかわからない御時世であります。私ごとでありますが、私自身も、先日中国出張の際に、真横に車が突っ込んでくるという事故に遭い頭を強打しました。まさに想定外であり、たかだか三日間の海外ということで、保険にも入らなかったことが悔やまれました。油断というか、心構えというか、改めて意識改革を自分自身しなければならないと実感したわけであります。ということで質問に入ります。  災害時の初期行動についての質問です。まず初めに、先週の土曜日の夕方、携帯のアラームが鳴り緊急速報、避難準備・高齢者等避難開始発令というメールが届きました。最近は、携帯やテレビ、あらゆる情報媒体を通じて避難情報が伝えられることが非常に多くなりました。大切な手段であります。住民の方々からの意見で、さらなる工夫が必要ではないかと思う点を質問いたします。  一つ目は、市町村から住民へ伝達される避難に関する情報として、避難準備・高齢者等避難開始、避難勧告、そして避難指示(緊急)の三段階のレベルで避難行動を促していますが、それぞれの内容は、県民にどれくらい理解されているのか。三段階からさらに段階をふやしたり、わかりやすい言葉や、レベル一から五など子供でも危険度がわかるように工夫することができないのか質問いたします。  それを受けて、今回の九州北部豪雨における避難行動の実態はどうだったのか、最大で何人を対象として避難指示等が出され、実際に避難された方は何人だったのかを教えてください。  もう一つの課題で、九州北部豪雨の週に、地元の門司区にもテレビ放送にて最高レベルの避難指示というテロップが流れました。どのぐらいの方が避難したかは確認しておりませんが、幸い小規模の土砂崩れが三カ所起こったぐらいでしたが、最近では、豪雨、台風など頻度が増している中において、幾度となく避難指示等がテレビ、メールで流れ、偶然そのときは何もなかったにすぎなくても、何かなれが生じて避難をしなくなる懸念もあります。実際にそのようななれの対策も含め、県はどのように今後避難行動を起こしてもらう努力をしていくのかお聞かせください。  つけ加えて、南海トラフ大地震の対策としても、ビッグデータの活用も行われていると聞きます。県として災害の危機管理に対してのビッグデータの活用についての考えを問います。  最後に、新たな危機管理に対する質問です。九月九日に地元の大翔館高校の体育祭の開会式の挨拶の中で、保護者に対して、もし、北朝鮮のミサイルが発射され、Jアラートが鳴った場合には、直ちに校舎内、窓ガラスから離れた位置に避難し頭を守るように等の説明があり、また生徒には前もって指示を出している旨の挨拶がなされました。また、同日の門司学園高校の学園祭においても、校長先生から生徒に同じような指示を出していることを聞き、戦後このような危機意識を持ったことはありませんでしたし、改めて何が起こるかわからない時代であることをここでも、危機管理について少し意識変革をしなければならないことを痛感いたしました。また、皆様も御存じのとおり、八月二十九日、九月十五日の二回にわたり日本の上空を弾道ミサイルが通過しました。北朝鮮のミサイル発射は十六回行われ、二十二発発射されていると聞いております。決して許されることではなく、強い憤りを感じるわけでありますが、私たちにできることは何なのか、万が一に備えての心構え、行動、準備を行わなければなりません。  北朝鮮のミサイルは、核ミサイル、細菌兵器、そしてパルス爆弾、PMA等が報道により考えられます。ミサイルにしても、何度も発射されていると感覚的になれが生じて、またかという声を多く聞きますが、私たちの立場では、最悪のことや想定外のことまでも、完璧な対策とまではいかなくても、情報収集、心構え、緊張感を途切らせてはいけない立場と認識しております。今回の議会において、災害に対してのLアラートやJアラート、さまざまなICT技術が災害時に大きく活用でき、役に立つことが確認されておりますが、そのことに対しては私も同意見であります。しかし、そんな情報機器等が全く使えないような新たな危機等も考えられます。例えば、北朝鮮の電磁パルス攻撃のような新たに考えられる危機に関しては、それこそ電子機器類、携帯からパソコン、コンピューター制御の飛行機や車、乗り物全てがダウンするとされており、国においても、九月七日午前の記者会見で菅官房長官が、実際に攻撃が行われる万が一の事態への備えとして国民生活への影響を最小限にする努力が必要だと述べ、対策を検討するという考えを明らかにしました。このような中で新たな危機管理上の問題についての知事職務代理者の服部副知事に見識を問います。  大きな災害が多発する中で県民が安心、安全の中で暮らすことができるような力強い答弁を期待して、質問といたします。ありがとうございました。(拍手) 3 ◯議長(樋口 明君) 知事職務代理者服部副知事。 *知事職務代理者答弁 4 ◯知事職務代理者・副知事(服部 誠太郎君)登壇 お答えを申し上げます。  県の危機管理体制についてお尋ねがございました。まず、避難勧告等の県民の理解についてでございます。市町村が住民に伝達いたします避難勧告等の発令基準や避難行動は、災害対策基本法に基づきまして国が作成をいたしました避難勧告等に関するガイドラインにおいて定められているものでございます。このガイドラインにつきましては、平成二十八年、昨年の台風第十号による水害が発生しました際に、高齢者施設において、避難準備情報の意味するところが伝わっておらず、適切な避難行動がとられなかったことを踏まえまして見直しが行われたところでございますが、国においては、発令の段階数については変更されず、高齢者等が避難を開始する段階であることを明確にするため、避難準備情報を避難準備・高齢者等避難開始に、また緊急度が伝わりますように、避難指示を避難指示(緊急)と変更されたところでございます。県ではこれまで、防災講演会、地域防災シンポジウム、防災展示などを開催いたしまして、避難勧告等の発令基準やとるべき避難行動につきまして、県民の皆様に対する周知を図っております。また、市町村に対しましては、副市町村長会議など機会あるごとに、住民に周知徹底を行うよう促してまいりました。これを受け、市町村では、広報紙や住民向けの講演会、住民が参加する防災訓練等を通じまして、平素から周知に努めておられるところでございます。また、今後の対策を考えてまいります上では、災害時において、住民が避難勧告等を理解し、実際にはどういう避難行動をとったかが重要でございますことから、今回の九州北部豪雨災害につきまして、県として、内閣府、国土交通省などと合同で現地調査を行っており、その中で、朝倉市及び東峰村並びに住民の方からの聞き取りなどを行ってまいります。  次に、九州北部豪雨における避難行動の実態についてでございます。避難指示等の発令対象の人数が最大となりました七月六日の十二時の時点では、朝倉市、東峰村を初め県内の十四の市町村において避難指示が三十九万九千人余り、避難勧告は四万六千人余り、避難準備・高齢者等避難開始が十五万六千人余り、合計で六十万二千人余りを対象にそれぞれ発令されておりました。このうち、避難所へ実際に避難された方は、避難指示の区域で千七十八名、避難勧告の区域で四百九十三名、避難準備・高齢者等避難開始の区域で五十名、その他の区域では、自主避難された方が三十一名、これを合計いたしますと千六百五十二名でございました。  県民に避難行動を促すための県の取り組みについてでございます。住民の皆様が適時的確に避難行動をとるためには、日ごろから、災害発生のおそれがある場合は自発的かつ速やかに避難するという意識を持っていただくことが重要でありますことから、県といたしましては、先ほどお答え申し上げましたような講演会などを通じまして、避難勧告の意味やとるべき行動などについて理解を深めていただく取り組みを行っております。また、個人が避難をちゅうちょする場合もございます。そういった場合には近隣住民間での声かけも必要でございますので、地域全体で災害時に支え合うための自主防災組織の役割は重要でございます。このため県では、自主防災組織のリーダーの育成や避難訓練などを通じ、その育成と強化を図ってきたところでございます。さらに、今年度から、避難行動に関する知識や早期避難の重要性等を盛り込みました防災ハンドブックを作成をいたしまして、ホームページで公開いたしますほか、各市町村においては、この内容を活用して独自のハンドブックを作成、配布していただきますことによりまして、避難勧告等が発令されたら、すぐに避難するという意識の徹底を図ってまいります。
     次に、ビッグデータを活用した災害対策についてお尋ねがございました。携帯電話の位置情報やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の情報などのいわゆるビッグデータにつきましては、今日、さまざまな分野での利活用が期待をされております。国におきましては、一つには、カーナビの情報と警察の交通情報を融合いたしまして渋滞等の情報を集約することにより、効果的な交通規制や避難路確保等の災害対策に活用する仕組みの構築、またツイッターを活用した浸水、土砂災害の兆候や発生地域を推定する仕組みの構築などに取り組みますことによりまして、災害対応力の強化、高度化を図ることとされております。県といたしましては、こうした国の取り組みを注視してまいりますとともに、現在再整備を行っております防災・行政情報通信ネットワークの中で構築をすることといたしております電子地図上で各種情報を統合できるシステムでのビッグデータの活用などについて研究をしてまいります。  最後に、新たな危機管理上の問題についてでございます。北朝鮮が可能であると主張いたしております電磁パルス攻撃の影響につきましては、高電圧のパルスが送電線を伝って地上の電子機器を損壊させ、大規模停電や、通信、ガス等の公共インフラの停止につながるなど、経済や医療、交通を初め国民生活に甚大な影響を与えるとの報道もなされていることは承知をいたしております。しかし、現時点におきましては、国から県に対しまして、電磁パルス攻撃についての情報提供は行われておりません。なお、災害対策基本法や国民保護法によりまして、電気、ガス、通信など公共インフラにかかわる事業者は指定公共機関として位置づけられているところでございまして、また県の地域防災計画においては、県内において災害が発生した場合には、みずから策定した防災業務計画に基づき、電気やガスなどの安定的かつ適切な供給や通信を確保するために必要な措置をとることといたしております。また、県はこれらの事業者を支援し、かつ総合的な調整を行ってまいります。このように万が一、新たな危機管理上の問題が生じた場合にも、県は、県民の皆様の不安や心配を少しでも和らげますとともに、安全、安心を確保していくため、全力で取り組んでまいります。 5 ◯議長(樋口 明君) 川端耕一君。 6 ◯十五番(川端 耕一君)登壇 服部知事職務代理者の力強い決意をいただきました。経験したことのない災害に対しても、心構えと情報をしっかりと国と連携し、しっかりと県民の安心、安全のために日々ともに頑張っていただきたいと思います。要望します。  一点だけ再質問させていただきます。九州北部豪雨避難指示等の発令に対する避難行動の実態の数字をお答えいただきましたが、避難指示という最高レベルの発令を約四十万人に出したにもかかわらず、実際に避難された方は、約千人の方しか避難されていません。また、避難指示、勧告、避難準備・高齢者等避難開始も含める発令が約六十二万人に出されていることに対し、実際に避難されたのは約千六百人でありました。この数字を見ると、さまざまな要因があるでしょうが、避難発令のあり方にも課題や工夫の余地があることが明らかであります。発令の言葉のわかりやすさや、三段階から段階をふやすことなどの工夫をさらに行うべきだと考えます。これは国のガイドラインに沿ってということでありますが、そうであれば国に対しても、今回の災害、またこの実情を踏まえ、しっかり国に要望すべきだと考えますが、所見をお聞きして、私の質問を終わります。(拍手) 7 ◯議長(樋口 明君) 知事職務代理者服部副知事。 8 ◯知事職務代理者・副知事(服部 誠太郎君)登壇 避難指示等の発令に対して避難者が余りにも少な過ぎるのではないか、この点について国に申し入れるべきであるという再質問をいただきました。今回の九州北部豪雨におきます避難の状況、先ほど御説明申し上げましたとおりでございますが、現在、県といたしましては、国とともに現地の状況、また住民の皆様からの聞き取りを行っているところでございまして、今後、国に対しまして、こうした現場の実態を踏まえまして、発令のあり方に関しまして、またさらなる工夫につきましても、しっかりと伝えてまいりたいと考えております。 9 ◯議長(樋口 明君) 原中誠志君。(拍手) *原中議員質問 10 ◯三十五番(原中 誠志君)登壇 民進党・県政クラブ県議団の原中誠志であります。発言通告に従い、一般質問を行います。  最初の項は、大学生、専門学校生を含む若年層の消費者被害についてであります。本県におけるオレオレ詐欺、還付金詐欺など、にせ電話詐欺を含む特殊詐欺の被害総額は、昨年は約六億六千万円、認知件数は三百五十二件で、前年の約三分の一まで減少したものの、ことしは八月末現在で認知件数が四百七件、被害額は七億四千万円となり、既に昨年一年間の認知件数、被害額を上回っています。また、近年では、必ずもうかる商品だから、かわりに買ってくれたら高く買い取ると言って、価値のない商品を買わせる買え買え詐欺や、以前契約した商品の損を取り戻してあげると言って新たな商品の購入を持ちかける二次被害の相談が、高齢者を中心に多く寄せられています。さらに、昨年の熊本地震、ことしの九州北部豪雨災害など大規模災害の発生直後から、被災者を狙った詐欺、災害に便乗した義援金詐欺も急増しているのが近年の特徴であります。こうした特殊詐欺については高齢者がターゲットとされ、多大な被害が生じていることから、地域で孤立しがちな高齢者家庭、ひとり暮らしの高齢者が犯罪に巻き込まれないようにするための対策が継続して求められています。  さて、ここまで述べたところで、こうしてみると特殊詐欺の被害は高齢者に多く、高齢者の問題であるということは自明の理であります。しかし、詐欺犯罪の被害者は、何も高齢者に限った話ではありません。国内では、老若男女、あらゆる世代で詐欺被害は発生をしており、社会全体でその対策、撲滅を進めていかなければなりません。私は、昨年十月の決算特別委員会の総括質疑において、荷受け代行、荷物転送アルバイトをきっかけとした携帯電話の契約トラブルという若者の詐欺被害について質問いたしました。その後、この質問を契機として、若者の詐欺被害について調査するうち、このたび、実際に被害を受けているという大学生から相談を受ける機会がありました。相談を受けたこの大学生の被害の状況を聞いて、さらに調査を進めるうち、大学生や短大生、専門学校生を含む二十代、三十代の若年者が詐取の餌食となり、大きな被害を受けているという実態が浮かび上がってきました。  相談者の彼自身、大学の四年生ですが、昨年の十月ごろ、将来の投資家にならないか、確実にもうかるので投資してみないかと誘われ、融資のお金を調達するため、銀行から二百万円もの借り入れをしています。今回の詐取行為はといいますと、被害者は、株式会社Aという会社から、まず空気清浄機を大量に購入させられます。そして、その後、A社と業務委託契約を結び、機器はそのままA社が預かってリースし、そのリース料の一部をリース業務への協力金という形でオーナーに支払うというものであります。したがって、オーナーと言われる被害者の手元には一台の機器もありませんし、現物は見たこともないというのが実情であります。さらに、顧客を紹介すれば一定の報酬を支払うということから、知り合いの大学生や友人をその会社に紹介したという者もおります。この空気清浄機の購入費用をオーナー、すなわち被害者に工面させるため、複数の消費者金融であったり、銀行などの金融機関から数百万円もの多額の借り入れをさせられるケースが多いというのが特徴であります。融資の話を持ちかけられ、銀行から借り入れをし、多額の借金をしている若者が、相談を受けた彼の周りでも、西南大学、福大、九産大、福工大の学生も含めて三十人ほどいます。いずれも百万円から二百万円を超えるお金を銀行から借り入れをしています。空気清浄機の業務委託契約を締結させられたものの、約束した報酬が支払われなかったり、契約の解除には応じるものの、契約時に約束された解約金を戻してもらっていないという者が大半であります。実際には存在しない架空の収益構造を提示した上、被害者から多額の代金をだましとる行為は、もはや詐欺行為と言わざるを得ません。調査してみると、このA社から同様の被害を受けている者は、九州だけでも百五十から二百名はいるようであります。いずれも大学生や専門学校生、二十代から三十代の若年層となっています。被害に遭った若者の多くが、安易に金もうけに走った結果、詐欺行為に遭った、社会的に無知であったという負い目があり、大学生の中には、家族にも相談していない、大学にも相談していない。ましてや、お金がかかるから弁護士に頼むのは無理、どういった機関に相談したらいいかわからないといった声も聞かれます。こうした若年者の詐取被害の実態を受け、知事職務代理者服部副知事並びに教育長、警察本部長に質問を行います。  まず、知事職務代理者服部副知事に質問であります。一点目は、今回の若年層の詐取被害の実態について、知事職務代理者としてどのような認識をお持ちなのか、お聞かせください。  二点目に、今回、被害に遭った学生に福岡県消費生活相談センターに相談したかと問いますと、そうした機関があることも、どこにあるかも知りませんでした。そこで、県内の幅広い世代に、消費生活に関する苦情や多重債務などの問題を相談する機関として消費生活相談センターなどの存在をいかに周知させるか、このことも含め、本県の大学生、専門学校生並びに若年層における消費者被害について、県としてどのような対策がとられているのか、お答えください。  三点目に、大学生や専門学校生が詐取被害、詐欺被害に遭わないためには、大学や専門学校での啓発が必要だと考えます。県として、県内の国公立、私立大学、専門学校に対する消費者教育、啓発活動をいかに図るのか、その対策についてお聞かせください。  次に、教育長にお尋ねします。若年者が詐取被害、詐欺被害に遭わないためには、中学校や高等学校での消費者教育が必要だと考えます。そこで、本県における消費者教育の現状についてお聞きするとともに、今後、県内の中学校や高等学校における消費者教育をいかに進めるのか、あわせてお答えください。  次に、警察本部長にお尋ねいたします。今回、被害に遭った学生に、警察に相談したかと尋ねますと、警察署は敷居が高い、近寄りがたいと言い、共犯者と見られるのではないか、警察官から叱られるのではないか、自分が悪いのだから相談に乗ってくれないのではないかといったことを言っております。被害を受けた大学生らは、被害者同士、LINEやメールなどSNSのつながりがあり、情報交換や悩みを共有しています。そして、こうした若者の被害者の多くが、警察に対して同じような思いを抱いているとのことでありました。この際、県警察には、こうした若者の消費者被害、詐取被害についての相談に当たっては、事件性を問うというのは当然だとしても、親身に相談に乗る、どのようにして適切なアドバイスをするか、いわば学生や若者を手引きするということが必要だと思います。  そこで、県警察として、相談の対応はどのように行っているのか、お答えいただきたいと思います。  あわせて、県下の各警察署に若年者の詐取被害、詐欺被害、消費者被害を初めとした各種相談に対する対応窓口、相談窓口を、ぐっと敷居を下げて、相談しやすいように取り組むべきだと思いますが、警察本部長の見解をお聞きいたします。  次の項は、大規模災害に対する県職員の派遣交流について質問いたします。我が国は、全国的に豊かな自然が広がる反面、地震、火山噴火、台風、豪雨、竜巻など、毎年のように、どこかで大規模な自然災害が発生する災害国でもあります。自然災害は時、ところ、人を選ばないとよく言われますが、まさにそのとおり、全国どこで大きな自然災害が発生するかわかりません。そして、一旦、大規模災害が発生した場合、当該自治体だけで復旧や復興をやり遂げることは極めて難しく、国を初め、県や周辺自治体の協力と支援体制が必要となります。二〇一一年三月発生の東日本大震災の復旧、復興支援では、本県から短期派遣で延べ四百二名、長期派遣で延べ百六十九名の県職員が現地に派遣されていました。また、昨年の熊本地震でも同様に、短期派遣で延べ四千三百五十八名、長期派遣で延べ五十名の県職員が現地に派遣されていました。こうした被災地への県職員の派遣については、県内の被災地はもとより、九州管内で発生した大規模災害に対しては九州・山口九県災害時相互応援協定に基づき、また、全国の都道府県で発生した大規模災害に対しては全国都道府県における災害時の広域応援に関する協定に基づいて職員を派遣しているところであります。  今回の二〇一七九州北部豪雨では、朝倉市、東峰村で甚大な被害が出たことから、既に今日現在まで二千百十四名の県職員が現地に派遣され、復旧、復興に力を注いでいるところであります。しかし、短期的な職員の派遣ではやれることが限られていることなどから、本県では九月一日付で県職員の異動を行い、技術職員を中心に朝倉県土整備事務所、朝倉農林事務所へ職員を集中配置しています。このことにより、今回の二〇一七九州北部豪雨災害の復旧がよりスピードアップし、復興も着実なものになると思います。なお、今回の職員異動については、東日本大震災と熊本地震の復興支援で派遣している職員を戻して配置したものの、それでも業務を遂行する人数を充足することはできず、県内の他の職場から職員を異動させています。したがって、定数外職員や余剰人員を配置したものではなく、新規採用者を充てたものでもありません。  現在、県の事務所では、特に土木事務所や農林事務所では、技術系の職員を中心に、一人当たり事業量の増大の一方で、行政改革大綱に基づく人員削減と相まって、恒常的に超過勤務や休日出勤なども多いという現状にあります。こうした職場から職員が異動され、残された職員が担当業務に加え、減員となった分まで担わなくてはならなくなり、過重労働が心配されるところであります。加えて、設計業務や発注業務など、通常業務が滞ってしまってはいけません。県内や九州管内もしかり、毎年のように、全国どこかの地域で大規模な自然災害が発生し、その都度、本県の技術職員を被災地に派遣しているという状況があります。この際、本県の技術職員の増員化を図り、適正な職員配置と組織体制の強化を進めるため、以下、知事職務代理者に質問いたします。  一点目は、被災地の復旧、復興に向けて、県職員の長時間勤務が続いておりますけれども、市町村への派遣職員、被災地を所管する職場、職員を送り出した他の職場でも、職員の健康管理について、どのような対応をとっているのか、お聞かせください。  二点目は、先ほども申し述べましたが、九月一日付で県職員の異動を行いましたが、県内の他の地域の県土整備事務所、農林事務所の業務執行体制はきちんと確保できているのか、お答えください。  三点目は、大規模災害が発生した際、被災県が円滑な被災地支援を実施できるように、全国の都道府県が協力して、特に技術系職員を速やかに確保できるような仕組みを検討していくべき時期に来ていると思います。そこで、この件について、本県として九州知事会、全国知事会に問題提起していただくとともに、国に対して予算措置も含め、制度上の改善を図るよう求めるべきだと考えますが、知事職務代理者の見解をお聞かせください。  以上、真摯な答弁をお願いします。(拍手) 11 ◯議長(樋口 明君) 知事職務代理者服部副知事。 *知事職務代理者答弁 12 ◯知事職務代理者・副知事(服部 誠太郎君)登壇 御答弁を申し上げます。  まず初めに、若年層の消費者被害対策につきまして、若年層の消費者被害の実態認識についてお尋ねがございました。消費者が商品を購入すると同時に、その商品を賃貸する契約を業者と締結いたします、いわゆるレンタルオーナー契約に関しましては、収益金が支払われなくなった、あるいは解約を申し入れたが購入代金も戻ってこない、こういった消費生活相談が昨年の秋から若年層を中心に増加をしてきております。その相談の内容を見てみますと、不当な取引行為のおそれがあると認識をいたしております。  若年層への消費生活センターの周知についてでございます。平成二十五年に実施をいたしました消費生活に関する県民意識調査によりますと、消費生活上のトラブルに遭った際の相談先を消費生活センターなどの行政機関と回答した割合は、若年層でございます十八歳から二十九歳までの層では〇%、三十歳代でも約一一%と低い状況となっておりました。こうしたことから、SNSやネットショッピングトラブルなど若者にとって身近に起こりやすい事例をDVDやテレビを通じて紹介をいたしまして、このようなトラブルを解決するための身近な相談窓口として消費生活センターの周知を図っているところでございます。こうした取り組みに加えまして、大学、専門学校の協力をいただき、新入生オリエンテーションの機会や学生食堂などの場所を利用して消費生活センターを周知していただくことといたしております。  大学生や専門学校生など若年層に対する消費者教育についてでございます。社会経験の少ない若者は事業者の巧みな誘い文句を安易に信用し、人からの誘いを断るという判断がしにくいことから、悪質商法の被害に遭いやすい傾向がございます。また、自身の収入や貯蓄額が乏しいことから、将来の仕事などに結びつく誘いなどにも乗ってしまいがちであります。このため県では、最新の消費者被害の情報を消費者トラブル注意報として大学の学生課にメールで配信をいたしまして、学生の皆さんに周知をしていただいております。また、同様の情報を市町村の消費生活相談窓口にも配信いたしますとともに、県のホームページにも掲載いたしまして、啓発に努めております。加えて、大学生などを対象に契約に関する知識やトラブルへの対処方法を習得いただきますため、大学、専門学校と連携いたしまして、昨年は出前講座を七十五回実施をいたしております。このほか、学生生活を支援いたします教職員の皆さんを対象とした研修会も実施をしております。職域におきましては、事業者が若手の社員の皆さん向けに消費者教育を行う場合の支援策といたしまして、DVDの貸し出しや研修講師の派遣などを行っております。県といたしましては、今後も若年層の特徴を踏まえながら、大学、専門学校、市町村、事業者団体などと広く連携をし、若年層の効果的な消費者教育の推進に取り組んでまいります。  次に、大規模災害の発生に伴い災害業務に従事する県職員の健康管理についてお尋ねがございました。本県では、災害業務に携わる全ての職員の心身の健康管理に広く対応できるよう、改めまして各種相談窓口の紹介、セルフケアの方法等の情報提供を行っているところでございます。さらに、県において災害業務に携わる職員のうち、時間外勤務が多い職員及び被災市町村に派遣された職員につきましては、心身の状況を把握いたしますため、自己チェック票の提出を求め、産業医が必要と判断した場合は、所属または派遣いたしております市町村に出向きまして面談を実施をしてまいります。産業医は、面談において、職員の疲労を軽減するための保健指導を行いますとともに、面談結果に応じて、時間外勤務の制限、業務内容の見直しといった措置を所属長に対し求めてまいります。また、派遣されました職員のうち、面談の結果、心身の状況に配慮を要する職員につきましては、市町村に対し情報を提供するとともに、勤務上の措置を申し入れることといたしております。  次に、公共事業の執行体制についてでございます。被災地及び県内の他地域での公共事業の執行体制を確保いたしますため、所属間の人員調整に加えまして、東北三県及び熊本県に派遣していた職員の復帰を行うとともに、九州地方知事会及び全国知事会に対し職員の派遣を要請し、必要な人員の確保を図っているところでございます。また、通常の採用試験に加えまして、本年度中に臨時的な採用試験を実施することにより職員の確保を図りますとともに、将来の退職者数を見据えた前倒し採用について検討をいたしてまいります。  技術系職員の確保についてでございます。近年、全国的に大規模災害が発生をいたしまして、被災地から職員派遣の要請があっておりますことから、全国知事会の調整により、各自治体が協力して職員を派遣する取り組みが行われております。本県も東北三県及び熊本県の被災地を支援するため職員を派遣していたところでございます。一方、国では、大規模災害時において、各自治体がより早期かつ円滑に職員を派遣するための応援体制につきまして、法制化も含めて検討を進めておりまして、県といたしましては、今後、その検討状況を注視してまいりたいと考えております。 13 ◯議長(樋口 明君) 城戸教育長。 *教育長答弁 14 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 本県における消費者教育の現状と今後の取り組みについてでございます。消費者教育については、近年の消費者にかかわるトラブルの増加に伴い、内容の充実を図ってきております。中学校では、家庭科、社会科において、消費者の基本的な権利と責任について、クーリングオフ制度や各種相談機関などを取り上げながら理解させ、消費者として適切な行動ができるよう指導しております。その上で、高等学校においては、家庭科、公民科の授業や県消費生活センターの出前講座を通じて、マルチ商法などの悪質商法やネットトラブルの実態とセンターへの相談などの対処法を指導しております。今後とも、消費生活センター等の関係機関と連携し、子供たちが被害の防止や救済方法等について理解を深められるよう、具体的事例に即した指導を工夫してまいります。 15 ◯議長(樋口 明君) 高木警察本部長。 *警察本部長答弁 16 ◯警察本部長(高木 勇人君)登壇 警察に寄せられる相談への対応についてお答えをいたします。県警察におきましては、相談の窓口として、警察本部に相談コーナーを、また三十五警察署全てに相談に対応する係を設置するとともに、休日、夜間においても当直員が相談に対応しております。寄せられた相談に対しては、その内容に応じて、関係する部署が連携して組織的に対応し、指導、助言、他の専門機関の教示を行い、あるいは違法行為が認められるような場合には加害者への警告、検挙を行うなど、相談者の不安等を解消するために必要な措置を講じることとしております。  次に、相談しやすい環境づくりについてお答えをいたします。警察本部や警察署には、プライバシーの保護に配慮した専用の相談室を整備するとともに、多様な相談に適切に対応できるよう、専門の研修を受けた警察職員あるいは経験豊富な元警察職員を任用している警察安全相談員に相談に当たらせるなど相談しやすい環境づくりを行っております。また、全国共通の警察相談専用電話シャープ九一一〇の設置や県警ホームページからのメールによる相談の受け付けなど、相談者が警察署などを訪れなくても相談できるようにしております。今後とも、防犯教室などの各種警察活動も通じて相談窓口などについての周知を図るとともに、若年層を含めた多くの県民の皆様が相談しやすい環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。 17 ◯議長(樋口 明君) 原中誠志君。 18 ◯三十五番(原中 誠志君)登壇 今、答弁をいただいたところでありますけれども、要望を二点申し述べます。  本県の技術職員の増員化、適正な職員配置と組織体制の強化については、今議会終了後、間髪入れず実現に向けて取り組まれますよう知事職務代理者に要望いたします。  次に、レンタルオーナー契約事件について知事職務代理者、教育長、警察本部長に要望させていただきます。被害に遭っている大学生の中には、A社と業務委託契約を結ぶため、金融機関から多額の借り入れをしていると先ほど述べたところではありますけれども、中には、奨学金も借りているという学生もいます。奨学金と銀行の借り入れによるダブル借金をからっているという学生がいるわけであります。レンタルオーナー契約などで多額の借金を抱えた学生は、身から出たさびと言ってしまえばそれまでですが、詐欺師など社会の魔手から彼らを守っていくためには、県行政や教育行政、県警察など、関係機関が一丸となって教育、啓発、相談、取り締まりを強化していく必要があると思います。  詐欺犯罪の被害者は、何も高齢者に限った話ではなく、老若男女、あらゆる世代で詐欺被害は発生をしており、社会全体でその対策、撲滅を進めていかなければなりません。ぜひ、高齢者を初め、若年層の詐取被害、詐欺被害をなくすため、さらなる取り組みの強化を要望し、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 19 ◯議長(樋口 明君) 新開昌彦君。(拍手) *新開議員質問 20 ◯六十四番(新開 昌彦君)登壇 おはようございます。公明党の新開昌彦でございます。  通告に従いまして、自転車条例施行についてお聞きをいたします。私は、平成二十三年から自転車の安全利用について、さまざまな観点から県執行部をただしてまいりました。本年三月末、福岡県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例が施行され、十月一日には、自転車損害賠償保険加入等についての条項が施行され、本県の自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例が完全に施行されることになります。平成二十三年から二十九年の自転車事故を統計で見てみますと、発生件数は、七千四百三十九件から五千百三十一件と減少しておりますが、死亡事故件数は、二十四人から十九人と微減でございます。さらに、年齢別で見ますと、高齢者の事故は、九百七十一件から八百十三件と微減であります。二十歳未満と二十代を合わせた事故は、今も全体の四〇%、さらにいえば二十歳以下が全体の三〇%を超えております。ことしの自転車事故件数は、八月までの統計でありますが、前年より増加傾向にあります。条例による効果は次の機会に伺うとしまして、今回は、十月一日に施行される第十一条、第十三条、第十四条について知事職務代理者に伺います。  まず、第十一条の自転車小売業者等による情報の提供について伺います。県は、自転車小売業者、貸し付け業者は、自転車の購入者、借り受けようとする者に対して自転車の安全利用のための情報提供を行うとされておりますが、どのような形で進められていくのかお答えください。  次に第十三条と第十四条について伺います。これには、自転車損害賠償保険等の加入と確認について示されております。私は、二年前、兵庫県がつくりました自転車保険を示しまして、福岡県も自転車損害賠償保険を創設するよう提案をいたしました。県は、二年の歳月をかけまして自転車保険をつくりました。その名は、ふくおか県民自転車保険といいます。掛金は年間千円、二千円、三千円の三つのプランであります。賠償責任補償は、いずれも一億円。二千円のプランでは、加入者に対して死亡・後遺症保険金が八百万円、入院保険金は、日額二千円が保障をされております。三千円のプランでは、加入者の家族全員に補償を受けられるようになっております。我が家は六人家族でありますので、三千円のプランに加入をいたしました。千円のプランを月額にいたしますと、八十三円で一億円の補償を受けられるということになります。とてもいい保険ができたと高く評価をしております。さらに、ふくおか県民自転車保険のホームページからは、七月二十日からインターネットで加入ができるようになっております。  私は、県のホームページには少し不満があります。県のホームページから自転車保険を検索いたしますと、ページの最後尾の大変わかりにくいところにURLが置かれているだけ。せっかく県民のためにと時間をかけてつくり上げたものなのに十分な広報がなされていないことを残念に思います。  さて、第十三条は、自転車の利用者、児童の保護者、事業者について保険加入の努力義務を課しております。知事職務代理者に五点伺います。  まず、直近のふくおか県民自転車保険の加入者数についてお答えください。  二点目に、事故が多い二十歳以下、高齢者については、どのように保険加入の啓発をしていくのかお答えください。  三点目に、事業者に対する啓発は、どのようにお考えかお答えください。  四点目に、自治体、民間が貸し自転車を実施している場合は、どのように行うのかお答えください。  五点目に、福岡県のホームページにも保険に加入しやすい工夫をすべきだと思いますが、いかがお考えでしょうかお答えください。  次に、第十四条について伺います。これは、保険の加入の確認について努力義務を課しております。自転車の小売業者は、自転車を購入する者について保険の加入の有無を確認し、加入に関する情報を提供するよう努めるとしております。また、自転車を貸し付けるときについても準用するとしております。知事職務代理者に二点伺います。  まず、小売業者に対する情報提供は、どのように考えているのかお答えください。  次に、条例啓発のチラシには、ふくおか県民自転車保険が、インターネットで契約できるような記述はありません。今後は、保険の加入についての情報提供を行うことになっているのですから、QRコードなどをつけたチラシを作成してはいかがでしょうか、御答弁願います。  以上でこの項の質問を終わります。  次に、本県のエネルギー政策について伺います。公明党福岡県議団は、本年八月、再生可能エネルギーの取り組みについて宮崎県を視察をいたしました。霧島酒造の焼酎かすリサイクルが完成されていました。その中でバイオマス発電が行われ、サツマイモ発電と呼ばれておりましたが、発電量は一万二千世帯分の電力を生み、全量を九州電力に売電をしておりました。次に、南国興産を訪問いたしました。ここでは、畜ふんのリサイクルが完成されていました。その中で、畜ふんのボイラーを設置し、その燃焼熱で一時間に千五百キロワットを二十四時間発電し、工場の七割の電力を賄っておりました。最後に、宮崎大学の太陽光集光施設の実験施設を視察いたしました。実験施設では、太陽光を集めることで一千五百度の熱を得ることに成功。この実験施設を使って火山灰のシラスからシリコンを抽出。また、溶解塩を使うことで六百度の熱を二十四時間保つことに成功するなどの実績をお聞きいたしました。さらに、太陽熱から水素を生成するために燃料電池を使っておりますが、その触媒を白金ではなく、酸化セリウムを触媒にしていることもお聞きいたしました。  私たちは、再生可能エネルギー、水素エネルギーなどについて、三年かけて九州各県を視察してまいりました。実感として九州は、再生可能エネルギーの宝庫であることを実感できました。そして、その促進のためには、さまざまな規制緩和などの課題があることを知ることができました。再生可能エネルギーに関心を持ったきっかけは、六年前、東京電力福島第一原発の事故があり、その教訓を踏まえて閣議決定された第四次エネルギー基本計画が策定されたからであります。この計画には、再生可能エネルギーの比率を二〇三〇年度に電源構成比を二二から二四%とするとの現行目標があります。しかし、現状は五%にとどまり、しかも太陽光発電に偏っていると言われております。その影響を受けてなのかわかりませんが、九州電力は、出力制限をこの秋にも実施するため、九月十五日に太陽光発電の制御訓練を行うと報道されておりました。出力制限措置は、国が認めているものではありますが、再生可能エネルギーの普及にブレーキがかかるのではないかと危惧をしております。  目を世界に転じますと太陽光と風力の世界規模の発電コストは、二〇四〇年までにほぼ半減をすると予測しております。その予測は、イギリスの民間調査機関BNEF(ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス)というところがまとめておりました。そこには二〇二一年までには、石炭火力よりも太陽光のほうが安くなるとも報じております。さらに、BNEFは、再生可能エネルギーへの投資は世界規模で急成長する、長期的に石炭への依存度が高い日本は異例だとの指摘をしておりました。  本県は、全国的に見ましても、太陽光エネルギー発電施設が多く、再生可能エネルギーのかじ取りは、知事をトップとしたエネルギー政策推進本部において総合的に全庁挙げて行うという答弁をされております。  知事職務代理者にも伺います。まず、本県のエネルギー対策の目標と現状をお答えください。  次に、エネルギー政策推進本部として本県のエネルギー政策はどのように行うのか、特に太陽光、風力、バイオ、水素など、どのような取り組みを行うのか具体的にお示しください。  御清聴ありがとうございます。(拍手) 21 ◯議長(樋口 明君) 知事職務代理者服部副知事。 *知事職務代理者答弁 22 ◯知事職務代理者・副知事(服部 誠太郎君)登壇 御答弁を申し上げます。  まず初めに、県の自転車条例の施行に関しまして、自転車小売業者等による情報提供についてお尋ねがございました。十月一日からの県自転車条例の完全施行に伴いまして、小売業者、貸し付け業者に対し、自転車の購入者、利用者へのルール、マナーなど安全利用に関する情報の提供が義務化をされます。また、小売業者等は、購入者等に対しまして、保険の加入を確認し、加入が確認できない場合は保険加入に関する情報提供に努めることとされております。このため県では、こうした情報を記載いたしましたチラシを作成いたしまして、今月中に県内の千二百の小売業者等へ送付することといたしております。県といたしましては、今後、自転車関連事故の状況や自転車安全利用講習会の開催の情報など自転車購入者の安全利用に役立つタイムリーな情報をメールで小売業者へ提供いたしまして、自転車を購入などされる皆さんに伝えていただくことといたしております。  次に、ふくおか県民自転車保険の加入者数とこの周知についてでございます。県の働きかけによりまして、福岡県交通安全協会や自転車安全対策協議会などにより創設をされました、ふくおか県民自転車保険には、本年四月の販売開始から八月末までの約五カ月間で約五千三百名の方が加入をされております。県といたしましては、自転車条例の施行に伴いまして、多くの方が自転車保険に加入していただきますよう、この保険の周知を図っているところでございます。具体的には、本年四月に県内の小中高校に対しまして、全生徒分の県民保険のパンフレットを送付し、生徒全員に配布をしていただきました。また、同時期に市町村、県老人クラブ連合会、県地域婦人会連絡協議会、県商工会議所連合会など交通事故をなくす福岡県県民運動本部に加入していただいています団体に対しまして、条例周知のチラシやポスターを送付し、各団体に所属する高齢者の皆さんや事業者の皆さんに保険加入の周知を図っていただきました。県といたしましては、十月一日から保険加入の努力義務が施行されることを契機といたしまして、改めて学校や関係団体に対し、先ほど申し上げました保険加入について記載をいたしましたチラシを送付し、さらなる周知を図っていただきますよう働きかけを行ってまいります。  貸し自転車を実施している事業者への啓発についてでございます。条例では、自転車貸し付け業者は、自転車利用者に貸し付ける際に、保険加入の有無を確認し、加入していない場合は加入に関する情報を提供するよう努めなければならないとされております。県といたしましては、県内の自転車貸し付け業者の実態の把握に努めますとともに、貸し付け業者に対し、こうした条例の内容を理解していただき、利用者に保険加入の有無を確認していただいた上で、加入していらっしゃらない場合は、携帯電話やコンビニでも気軽に加入できる保険もあることなど、利用者に保険加入の啓発を行っていただくようお願いをしてまいります。  自転車保険の加入促進に向けた工夫についてでございます。県のホームページでは、県民の皆様が保険加入に役立つような内容を記載をいたしております。具体的には、目的に応じた保険が選択できますよう個人賠償責任保険や団体保険など通勤、通学用の保険と、施設所有者賠償責任保険など業務用の保険の区別を明らかにいたしております。また、御自身が保険に加入しているかどうかわからないといった場合もございますので、加入を確認できるチェックシートを掲載をいたしております。今後は、県民の皆様が自分に合った自転車保険の加入を選択し、インターネットなどからも申し込みができるよう、自転車保険を取り扱います各社の一覧表をサイト上に掲載いたしますため、これに協力していただくよう保険会社との協議を行ってまいります。また、県のホームページに各社の一覧表を掲載することが可能となりました場合には、今後作成いたします啓発チラシにQRコードを記載いたしまして、スマートフォンなどによりこの一覧表にアクセスできるようにしてまいります。  次に、エネルギー政策の目標と現状についてお尋ねがございました。県では、本年三月に策定いたしました新総合計画におきまして、エネルギーを効率的に利活用する社会、環境にも配慮したエネルギーが安価かつ安定的に供給される社会、この実現を目標として掲げております。この実現に向けまして、平成二十七年度の再生可能エネルギー導入容量百七十三万キロワットを三十三年度までには二百三十万キロワットとするなどの数値目標を設定しているところでございます。これまでの再生可能エネルギーの導入状況を見てみますと、太陽光発電が牽引をいたしまして、導入量の九割以上を占めておりますが、近年、固定価格買い取り制度、いわゆるFITでございますが、これにおける買い取り価格の低下や出力制御の可能性などによりまして事業環境が厳しくなってきております。こうしたことから、総合計画に掲げた目標を実現するためには、太陽光発電に加え、バイオマスなど地域特性を生かした多様なエネルギーの導入促進が必要となっているところでございます。  エネルギー政策の具体的な取り組みについてでございます。県では、専門家の皆さんで構成をいたしました福岡県地域エネルギー政策研究会からの提言を指針といたしまして、太陽光発電設備が長期、安定的に発電できる維持管理体制の構築、洋上風力発電の実用化に向けた海域利用のガイドライン整備に関する国への要望、天候に左右されないバイオマスや小水力の導入を検討する市町村への支援、燃料電池自動車の普及と水素ステーションの一体的な整備、再エネを利用して水素を効率的に製造する実証、研究開発の支援などといったことに取り組んでおります。今後とも、総合計画に掲げました目標の実現に向けまして、知事を本部長とする福岡県エネルギー政策推進本部を活用し、全庁を挙げてエネルギー政策の推進に取り組んでまいる考えでございます。 23 ◯議長(樋口 明君) 新開昌彦君。 24 ◯六十四番(新開 昌彦君)登壇 大変前向きな答弁をいただきました。  一点だけ要望いたします。第十四条の保険の加入の確認のところでありますが、貸し自転車の業者が利用者に対して保険に入っているかどうかの確認をするというのは、サービスを行う者として本末転倒ではないかなというふうに思うわけでありますが、それはやっていただくとして、私は、自転車を貸し付ける業者、例えば市町村、民間事業者みずからが、利用者のために当然保険に入っておくべきだと思います。それについてはしっかりと実態を把握するということでございますので、しっかりと調査をしていただいて、県民や観光客が安心して自転車を利用することができるようしっかりと検討すべきであると強く要望して、質問を終わります。  以上でございます。ありがとうございました。(拍手) 25 ◯議長(樋口 明君) この際、しばらく休憩いたします。再開は午後一時二十分といたします。           午 後 零 時  九 分  休 憩           午 後 一 時 二十一分  再 開 26 ◯副議長(守谷 正人君) 再開いたします。 *諸般の報告  諸般の報告を行います。  提出議案中、第一〇二号議案「福岡県職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例の制定について」人事委員会の意見を求めましたところ、お手元配付のとおり意見の提出がありました。      ────────────────────────────────────────── 27 ◯副議長(守谷 正人君) また、人事委員会から職員の給与等に関する報告及び勧告、教育委員会から教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行状況についての点検及び評価が、それぞれお手元配付のとおり提出されました。  以上、報告いたします。  休憩前に引き続き一般質問を行います。順次発言を許可いたします。林裕二君。(拍手) *林議員質問 28 ◯六十七番(林 裕二君)登壇 食と緑を守る緑友会・立志福岡県議団の林裕二です。今般の九州北部豪雨災害について質問をいたします。  改めまして、今回の災害でお亡くなりになられました方々にお悔やみを申し上げますとともに、いまだに行方不明の方々の御家族を初め被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げます。
     きのう、秋篠宮殿下、同妃殿下が来県なされ、被災地を御視察され、被災者にお見舞いのお言葉をいただきました。大いに勇気づけられ、これから頑張っていこうと、お力をいただいたものだと思います。  また来月には、天皇、皇后両陛下も被災者や災害対応されてこられた関係者に対してお見舞いを予定されていると聞いています。被災者の生活再建、災害からの復旧、復興に対する力強い来訪となることと信じているところであります。  ところで、約十年ぶりに一般質問をさせていただくことになりました。大変緊張もいたしております。今回の豪雨災害に対して、県当局、県議会の皆様を初め県内外からの御支援に感謝の言葉を述べさせていただき、災害に遭った地元も、復旧、復興に向け懸命に努力してまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いをしたいということで一般質問をさせていただくことであります。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  災害が起きた七月五日の午後、私は、井上忠敏県議、栗原県議、森田朝倉市長、両筑土地改良区の松岡理事長らとともに、農林水産部に要請活動のため県庁におりました。午後三時ごろ、福岡は雨は降っておりませんでした。朝倉市は大変なこつばいと、大雨になっとると、危ないという知らせが入りまして、朝倉市長を初め関係者は朝倉市に急行されました。私は、もう一件用事がありましたので、夕方ぐらいまで待っておりましたが、地元が大変だということで、出席をお断りいたしまして、国会議員の秘書さんの車で朝倉市に向かいました。高速大分道は既に甘木インターからは不通となっており、車列ができておりました甘木インターをおり、朝倉市役所に向かいました。  市役所に設置された災害対策本部は、市の職員、自衛隊、消防署員、消防団、警察、電力会社、県の関係出先機関、多くの報道陣などなど、異様な雰囲気の中、ごった返しておったと思います。声をかけるのもはばかられるということで、知り合いに目くばせをして、その場から県の総合庁舎に行き、県土整備事務所の所長、土木組合の組合長と言葉を交わし、朝倉地区にあります自宅に向かいました。  途中、通行不可能となりましたので、甘木の友人宅に転がり込み、翌六日、ようやく自分の事務所にたどり着き、長靴に履きかえ、歩いて約二百メートルぐらい離れた、行きつけの食堂に向かいました。そこで目にいたしましたのは、考えられないような光景でございました。田畑も、道路も、建物も、一メートルを超さんばかりの高さで、大量の流木と土砂に埋め尽くされておったのであります。国道三百八十六号の歩道も、途中から大量の泥で移動困難のため引き返し、防災服に着がえ、県土整備事務所、農林事務所、普及センター、警察署、消防署、JA、商工団体、後援会の皆さん、知人、友人と電話連絡、またテレビ、新聞などの報道で被害の甚大さを、ここで知ることとなりました。緊急車両のサイレンが鳴り響き、救命のためのヘリコプターの飛び交う中、通れそうな道路を探して被災地に行き、見て回り、会った人から情報を得ながら、関係機関に電話したり、出かけていき、情報交換、要望を伝えるなど災害対応に徹してきたところであります。  えらいこつが起こった。危ないところを助けられた。危ねえ、はよ逃げろ、こっちに来んなとおらんだばってん、間に合わんやったですもんなあと。どげんもでけんやった。どうにかならんとな。はよう通らるるごつしてくれ。命は助かったばってん家がやられた。田んぼが埋まってしもうた。誰々さんと連絡がとれん。水が出らん。──返す言葉もなく、そうな、大変じゃろうばってん、頑張って、こっちも頑張るけんと言うのがやっとという状況だったと思います。  発災から二日後、七月七日、防災副大臣が被災地に入られたのを初め、安倍総理大臣を初め防災大臣、国交大臣、農水大臣、厚労大臣、経産大臣、環境大臣、総務大臣等々と多くの大臣が連日被災地を視察され、小川県知事、樋口議長、森田朝倉市長、澁谷東峰村長、その他から被害の状況を聴取され、復旧には全力で対応する、何でも相談してほしい、できることは何でもやっていくという力強い挨拶がなされました。麻生財務大臣も県庁に来ていただきました。また、衆参両院の災害対策特別委員会、各政党の調査団、自民党の二階幹事長を初め各政党の幹部、県議会からは正副議長、各会派の調査団、農林水産委員会、県土整備委員会、建築都市委員会と、多くの議員各位にも来ていただきました。本当にありがとうございました。八月八日、発災から一カ月ちょっとで、短い期間で激甚災害に指定をしていただいたことは、大変ありがたいことだと感謝しております。  ところで、朝倉市・朝倉郡選出の県議会議員は、栗原県議と私、二人であります。今回の災害に協力して取り組んできたところであり、今後も力を合わせて、復旧、復興に頑張っていくことといたしております。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  災害発生から今日まで、自衛隊、消防、警察、海上保安庁、九州地方整備局、九州農政局初め国の出先機関、県庁、県の出先機関、水資源機構、土木建設業者、電力会社、通信会社には、人命救助、行方不明者の捜索、避難所対応、道路の啓開、公共土木施設の緊急対応、二次災害の防止、インフラの復旧、治安の維持に、被災者に対する物心両面の支援、学校、児童生徒に対する支援、全国から来ていただいている災害ボランティア各団体、企業のボランティア、ボランティアセンターの運営支援、農業ボランティアなどなど人的支援、そして大量の支援物資を御提供いただき、運搬していただいた方々、全国から寄せられた多額の義援金、お見舞い金、自治体に対する支援金、ふるさと納税、これら多くの皆様に改めて感謝し、心からお礼を申し上げさせていただきます。ほかにも多くの皆様に御支援いただいていると思っております。被災者、被災地にとって、大きな励まし、力となっております。本当にありがとうございます。  これから被災地では生活再建、災害からの復旧、復興に力強く一歩一歩進んでいかなくてはなりません。取り組んでいく課題は山積していますが、ここでは復旧、復興の柱となるだろう産業の振興、安全なインフラの復旧に絞って質問をさせていただきます。  まず、農林業の復旧、復興について伺います。発災後二カ月半が経過し、主要幹線道路の大半は通行だけは可能となったものの、いまだに山間部の道路は通行できないところも多い状況でございます。このような地域には、朝倉の特産である柿や梨などの果樹園が多くありますが、園地までの道が復旧していないなど、農家の自助努力ではどうにもならず、ことしの収穫を諦めるところも多く、農業者の無念さははかり知れないところであります。また、ため池の決壊により多量の流木や土砂が流れ込み、一時通水がとまっていた堀川用水については、早期に復旧工事が完了したことで水が行き渡った水田では何とか順調に生育しているものの、多量の土砂が堆積している水田も多く、麦まきまでに復旧が間に合うか、微妙な状況であります。  被災者の方々からは、今後どうして生活をしていけばいいのかわからないといった将来を不安に思う声が多く聞かれました。しかし、少しずつではありますが、果樹園を復旧し頑張っていきたい、ハウスを移転、整備しイチゴ生産を再開したいといった声も耳にするようになってきました。また、今回の災害を機に果樹園を再編したらどうか、新たに施設園芸団地をつくり新規参入者も受け入れてはどうかといった発展的な意見も出てきており、私自身も勇気づけられているところであります。災害をきっかけに、地域に暮らす人が減ったり、産地が消滅したというようなことは、絶対に避けなければなりません。そのために県、市町村、関係団体、そして私、皆様、県議会がしっかりと連携をとり、支援していく必要があると思います。  そこでお尋ねいたします。被災された農業者の営農が継続されるよう、どのように復旧、復興に取り組もうとされておられるのか。また、今回甚大な被害が発生している山地災害への対応や、ため池の復旧が求められていますが、どう取り組んでいかれるのか、あわせて所見をお伺いします。  次に、朝倉市及び東峰村が管理する公共土木施設の災害復旧に関する支援についてお尋ねします。さきの豪雨により朝倉市及び東峰村にある公共土木施設に甚大な被害が発生しています。朝倉県土整備事務所では、他の所属からの応援を受け、昼夜を問わず災害対応に取り組んでいただいており、その働きぶりに頭の下がる思いであります。一方で、朝倉市及び東峰村では、土木技術職員が不足しており、全国の市町村にまで派遣要請を行っていると聞いているところであります。両自治体が管理する公共土木施設の災害復旧に関し、県としてどのような支援を行っていただいているのかお聞きをいたします。  次に、河川の改良復旧事業の実施についてお尋ねします。前回の平成二十四年の災害と今回の災害を受け、地域では甚大な被害が生じているため、原形復旧ではなく改良復旧が必要と考えています。一方で、十分な予算の確保ができるのか、懸念しているところでもあります。県や議会からも、改良復旧に関する採択基準の緩和を要望していただいていることは承知しているところです。河川の改良復旧が地元で期待されていますが、今回の改良復旧の実施について、どう取り組んでいこうとされているのかお聞かせください。  次に、商工業者への支援についてお尋ねします。今回の災害は、地域の中小企業、小規模事業者にも甚大な被害をもたらしました。被災地では、工場や倉庫、事務所の浸水、土砂や流木の流入、機械や設備の損壊など県全体で三百六の事業所が被災し、その被害額は、平成二十四年の豪雨災害の三倍を超える約百六億円に上っております。また観光の面でも、通常どおり営業している被災地やその周辺の旅館、ホテルに一万一千五百人を超える予約のキャンセルが発生するなど、深刻な影響が生じています。  そうした中、先日、九州豪雨の被災地企業のうち九七%の企業が、通常営業に復帰したとの新聞報道がありました。これは、朝倉市と東峰村に本社を置く六百二十九社に対して電話調査を行った結果とされていますが、回答した企業は、このうち約七割の四百五十六社にとどまっています。私は、栗原議員ともども、災害発生以降、地元の状況をつぶさに見てきましたが、とてもこの調査結果が示すような状況に復旧しているとは思えません。この調査でも、電話が通じなかった七社を初め、電話調査により現在の営業状況が確認できなかった百六十六社にも、豪雨災害により事業継続が困難になっている企業が存在する可能性がある点に留意が必要との指摘がなされています。私は、この指摘のような状況こそが被災地の現実であると思っています。いまだ多くの企業が復旧の途上なのです。県はもちろんのこと、国においても、こうした被災地の現状に、いま一度しっかりと目を向けていただきたいと思います。そして、中小企業、小規模事業者の皆さんが、事業の継続を断念されることなく、一日も早く事業を再開できるよう、県と国が一体となった力強い支援が必要だと思っております。  そこでお尋ねいたします。県では、被災した事業者に対し、これまでどのような支援を行っているのか、また今後どのような支援を行っていくのか、国への働きかけを含め、知事職務代理者の考えをお聞かせください。  以上であります。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手) 29 ◯副議長(守谷 正人君) 知事職務代理者服部副知事。 *知事職務代理者答弁 30 ◯知事職務代理者・副知事(服部 誠太郎君)登壇 九州北部豪雨災害に関し御質問がございました。御答弁を申し上げます。  まず、農業の復旧、復興についてでございます。県では、被災された農業者の皆様が、将来への希望を失わず、一日も早く経営を再開できますよう、無利子の融資制度を創設いたしますほか、農業用機械やハウス施設の再取得、修繕、被災した果樹の改植、野菜、花卉の種苗の購入、また流失した家畜用飼料の購入などに要する経費を支援することといたしております。さらに、農地、農業用施設の復旧を初め、農業再生のためのボランティア活動への支援や被災地の農産物の販売促進などの取り組みにつきましても、今議会に補正予算を提案させていただいているところでございます。あわせまして、八月一日には朝倉農林事務所内に営農再開に係る現地支援チームを立ち上げ、市町村やJAと一体となり、被災者の皆様の営農再開に向けた御意向等の把握に努めているところでございます。特に、農地の損壊が甚大な地域におきましては、被災箇所での再開が厳しい状況もございますことから、林議員の御質問にもございましたように、作付場所の移転や団地化、あるいは新たな作物の導入などの御意向も出てきておるところでございます。県といたしましては、こうした御意向も踏まえまして、産地再生に向けた計画づくりとその取り組みをしっかりと支援をしてまいります。  次に、山地災害への対応についてでございます。今回の災害を受けまして、山腹の崩壊や流木の発生の要因を調査し、今後の対策を検討いたしますために、国においては流木災害等に対する治山対策検討チーム、県におきましては山地災害対策チームをそれぞれ設置いたしまして、学識経験者の方々の協力をいただきながら現地調査を実施したところでございます。現在、県の対策チームでは、崩壊地の詳細なデータの分析を行っておりまして、今後国にも情報提供をいたします。国の対策チームにおきましては、災害発生のメカニズムの分析と検証を行いまして、十月中には今後の効果的な対策についての中間取りまとめが行われる予定でございます。県といたしましては、今回の災害で流木捕捉に一定の効果が見られました透過型の治山ダムを、従来のコンクリートダムと組み合わせまして設置するなどの対策を進めることといたしておりますが、国の中間取りまとめを踏まえまして、より効果的な対策を講じてまいる考えでございます。  次に、ため池の復旧についてでございます。被災したため池は、国の災害復旧事業を活用しまして、順次復旧することといたしております。堤体の決壊、流失という重大な被害が発生をいたしましたため池につきまして、県では、発災後直ちに農業・食品産業技術総合研究機構や九州農政局と合同で調査を行いまして、決壊したため池では、水位調整を行う洪水吐きの能力を上回る流入があったことや、上流から流れ込んだ多量の土砂、流木により洪水吐きが閉塞したことを確認をいたしております。このことから県といたしましては、洪水吐きの改良を含めて検討を進めてまいります。  朝倉市及び東峰村が管理する公共土木施設の災害復旧に関する支援についてお尋ねがございました。県では、発災以降、これまでに朝倉市及び東峰村に対し、公共土木施設の被害調査の支援のため、延べ三百十六名の土木技術職員を派遣してきたところでございます。また九月一日からは、両自治体からの長期派遣の要請を受けまして、それぞれ二名の土木技術職員を派遣いたしまして、災害復旧事業の採択に必要となります国の災害査定に向けた支援を行っております。今後とも、年内をめどに災害査定が完了いたしますよう、国との事前調整や復旧工法の技術的助言をするなど、両自治体の災害復旧事業が円滑に進むための支援を行ってまいります。  河川の改良復旧事業の実施についてでございます。甚大な被害を受けました被災地におきましては、早期の復旧を図りますとともに、より災害に強い地域をつくっていくことが求められますことから、原形復旧のみならず、川幅を広げるなど河川の機能を向上させる改良復旧事業の活用が必要であると認識をいたしております。このため県といたしましては、国からの視察団の来県時や政府要望等さまざまな機会を通じまして、改良復旧事業の採択基準の緩和を国に対し要望しているところでございます。今後とも、国に対して改良復旧事業の推進に係る必要な制度改正について働きかけますことによりまして、より多くの改良復旧事業が採択され、実施できるよう努めてまいります。  被災した事業者の方々に対する支援と国への働きかけについてでございます。県では、被災されました中小企業に対し、県制度融資の中に、通常よりも低利で、かつ保証料を全額県で負担をいたします緊急特別融資枠を設けまして、円滑な資金繰りを支援をしておりまして、七月十一日の取り扱い開始から先週末までのうちに三十三件、四億円余りの融資を実行いたしております。また、筑後地域中小企業支援協議会におきましては、国や金融機関などと連携をいたしまして、朝倉市において金融、労務、経営など事業者の皆様の各種の相談にワンストップで対応する相談会を七月三十一日から先週末までに四回開催をいたしまして、三十五件の相談に対応させていただいたところでございます。さらに、風評被害を解消するため、被災地の正確な情報を、県の観光ホームページクロスロードふくおかの特設ページやSNSなどインターネットによる発信、旅行会社への説明、こういったことに取り組んでいるところでございます。また、八月十三日から旅行商品の割引を支援する、ふくおか応援割の販売を開始いたしまして、これまでに約一万五百人の方に御購入をいただいております。今後は、国の小規模事業者持続化補助金に採択されました事業者に対しまして、自己負担分の一部を助成し、被災した小規模事業者の販路開拓を支援をしてまいります。また、新たに新聞や旅行雑誌で被災地の観光の魅力を発信いたしますとともに、被災した市町村や観光協会が実施いたします観光PRイベントに対して助成を行ってまいります。さらに、地域の実情を踏まえまして、被災した中小企業の皆様が事業を再開、継続できるような支援策について、国に対し要望を行ってまいる考えでございます。 31 ◯副議長(守谷 正人君) 林裕二君。 32 ◯六十七番(林 裕二君)登壇 御答弁をいただきました。県ではしっかり取り組んでいますよと、そして、これからも取り組んでいきます、支援していきますということでお答えをいただきました。私も、実はそのように考えておりまして、同じような認識を持っております。しっかりやっていただいているというふうに、基本的に思っております。  今回質問をさせていただくに当たりまして、今議会の各会派の代表質問、そして国会の衆議院、参議院の災害対策特別委員会の議事録を見ました。そして、朝倉市、東峰村に聞き取りを、簡単でありますけれども、いたしました。そして、先ほども言いましたように、栗原議員と一緒に農業関係団体あるいは商工関係、商業団体と要請活動等をずっとやってきておりまして、その中で、いろんな課題が見えてきておりますので、こういったことを基本として質問をさせていただいた次第でございます。  ただいま申し上げましたように、県のほうでは、発災直後から、いろんな形で、きょう質問させていただきました分野以外、生活支援法、災害救助法に関すること、生活再建に関する法律の中でのいろんな対応、あるいは木造でつくっていただきました仮設住宅、こういったところでのいろんな応援とか、ハード、ソフトにわたりまして、一生懸命対応していただいているというふうに思っております。  これに比べまして、国のほうでは、次から次へ大臣が来らっしゃったとですよ。そして、被災地に行っていろいろ聞かれて、それは大変やったですよ、政府委員が一緒に来られますから。そのたびに経済産業局あるいは農政局、水機構、そして県の関係各部、課、そして一番大変な市町村長、そういった人たちが、基本的に丁寧に対応をされました。力強い言葉を残していかれました。しかるに、国会の議事録を見てみますと、各党、各会派からいろんな、ああ、そうだなあという意見を述べられております。しかしながら、政府委員の答弁を見る限りでは、あくまでも激甚災害に指定された範囲内でしか答弁がなされていないというふうに、私は分析をしておりまして、これだけ流木があり、大量の土砂が民家、それから川から、道路から、山が崩れてしもうちょるとに、これはひどいなと言われて帰られましたけれども、現実はそうであります。今、懸命に対応を行政、それから被災者、各団体取り組んでおりますけれども、もうちょっとどげんかならんとやろうかなというのが、正直なところであります。必死になって取り組んでいく、これからの災害に対して、市や村は財政規模は小さいということであります。財政がどうなるのかと、これからの復旧、復興に金がどれだけ出せるのかと、そういう財政的な金の問題、それから先ほど申し上げました人の問題、大きな課題を抱えているところであります。  どうぞ、職務代理者初め幹部の皆さん方、来週には小川知事が復帰をされるというふうにも聞いております。小川知事は、まさしく政治家でもございます。福岡県の行政のトップでもございます。これまでも申し上げましたように、二階幹事長を初め各政党の人たちが来られて、知事からも要請を受けていただいておる次第でございます。国の行政機関のみならず、政府のみならず、政党にもしっかりと要請をしてください。地元は、しっかり頑張ってまいりますので、こういったことを含め、きょうは皆さん方に、多くの人たちに感謝を申し上げ、そして、これから頑張っていきますので、よろしくお願いをさせていただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。  長時間にわたって御清聴いただきました。本当にありがとうございました。(拍手) 33 ◯副議長(守谷 正人君) 高瀬菜穂子君。(拍手) *高瀬議員質問 34 ◯三十番(高瀬 菜穂子君)登壇 日本共産党の高瀬菜穂子でございます。通告に従い一般質問を行います。  まず、北朝鮮問題です。北朝鮮は、国際社会が強く自制を求めているもとで、弾道ミサイル発射と核実験を強行しました。この暴挙に、満身の怒りを込めて抗議を表明するものです。  現在の最大の危険は、米朝間で軍事衝突が起こる潜在的な可能性が存在していることです。マティス米国防長官は、軍事衝突が起これば、信じられない規模での悲劇が起きると証言しています。喫緊の課題は、誤算や偶発的な事態による軍事衝突を回避すること、絶対に戦争にしないことです。そのためには米朝間の直接対話が不可欠です。ところが、安倍首相は、対話否定論を繰り返し、二十日の国連演説でも、必要なのは対話ではない、圧力だと、対話による解決を全面否定しました。しかし、各国政府は、安倍首相が否定する対話の実現を真剣に模索しています。国連安保理決議でも、制裁とあわせて緊張を緩和する努力、対話を通じた平和的解決を加盟国に呼びかけています。ドイツやフランスなども、対話による平和的解決しかないと主張しており、安倍首相の発言は北朝鮮への挑発ともとられかねない突出した異常なものです。  朝鮮半島に最も近い、アジアの玄関口を標榜する本県知事として、安倍首相に対し、米朝の直接対話を促す外交を行うよう強く求めるべきではありませんか。国民の生命と財産を守る立場からの知事職務代理者の真摯な答弁を求めます。  次に、核兵器禁止条約について伺います。人類史上初めて核兵器を禁止する条約が、七月七日、国連加盟国の三分の二、百二十二カ国の賛成で採択され、九月二十日から署名が始まりました。核兵器禁止条約は、その前文に、ヒバクシャの苦難を心にとめると盛り込み、核兵器の開発、保有、実験、使用だけでなく、威嚇行為も禁じている画期的なもので、核保有国が条約に参加する道もつくられています。速やかな核兵器廃絶を願い、核兵器禁止条約を結ぶことを全ての国に求めるヒバクシャ国際署名には、十六の知事を含む日本の八百六十五自治体の首長が賛同署名し、世界の七千四百三十九都市が加盟する平和首長会議も、核兵器禁止条約の締結を求め取り組みを進めています。ことしの長崎平和宣言にあるとおり、安全保障上核兵器が必要だと言い続ける限り、核の脅威はなくなりません。政府には、核兵器のない世界を目指してリーダーシップをとり、みずから明言したとおり、核兵器を持つ国々と持たない国々との橋渡し役を務めることが求められます。この条約を批准してこそ、北朝鮮の核開発に対しても道理と大義で厳しく対峙できるのではないでしょうか。  そこで知事職務代理者に伺います。核兵器禁止条約そのものについての見解を明らかにしてください。この条約の早期発効に向け、日本政府は条約を批准し、世界に向けて積極的な働きかけを行うよう求めるべきだと考えます。見解を伺います。  また、広島、長崎に次いで被爆者数の多い本県知事として、ヒバクシャ国際署名にみずから署名し、世界に向けて核廃絶を訴えるべきと考えます。知事職務代理者の御所見を伺います。  次に、甚大な被害を出した九州北部豪雨災害についてです。亡くなられた方々に心から哀悼の意を表明するとともに、被災者にお見舞いを申し上げます。また、被災自治体とともに取り組みを進めてこられました関係各課の職員の皆さんにも敬意を表します。日本共産党としても、発災直後から被災地を視察し、被災者の声をお聞きし、県行政につなぐとともに、政府にも直接交渉してまいりました。また独自にボランティアセンターを設置し、住家や農業用ハウスの泥かき、被災者からの聞き取りなどに取り組んでいます。一刻も早く生活となりわいを取り戻し、コミュニティーを再建する、そのために日本共産党としても全力を挙げる決意です。  その立場から、二点についてお尋ねします。第一は、住家の問題です。被災者生活再建支援法の拡充については、既にその方向で政府に要求しているとの答弁がありました。我が党は、かねてより支援金を少なくとも五百万円に引き上げるよう国会で繰り返し求めてきました。被災自治体として、国に対し、実態を踏まえ、強力に支援制度の拡充を求めていただくことを強く要望します。  半壊世帯の公費解体についても代表質問で取り上げられましたが、この問題は地域の復興に不可欠であり、公費解体でない場合、朝倉市、東峰村に多大な費用負担となる重大問題であるため、改めて県の姿勢をただしたいと思います。被災者生活再建支援法においては、半壊で解体の必要な家屋については全壊と同様の取り扱いとなっており、最高三百万円の支給があります。ところが、災害等廃棄物処理事業費補助金制度においては、解体費補助は全壊のみであり、住むことができず解体しなければならない半壊について補助の対象とならず、阪神・淡路、東北、熊本にのみ例外として適用しました。支援法に廃棄物処理事業補助金制度が追いついていません。これまで、さまざまな災害支援事業は、災害のたびに見直され、拡充されてきました。先日、この問題を国会で取り上げた我が党の田村貴昭衆議院議員に対し、環境省のとかしき副大臣は、「全壊であれ半壊であれ、被害を受けたのは同じでございますので、そういった状況の中でも……もとの生活に戻れるように、スピード感を持って対応していきたい」と答えています。それならば、法の解釈を変えて、住めない家は全壊と同様の対応を行うべきです。解釈の変更を国に強く求めるべきだと考えますが、知事職務代理者の見解をお示しください。  第二は、福岡県独自の災害基金の創設についてです。今回の災害に際して、本県でも農機具に対する補助や小石原の共同窯など独自支援を打ち出しています。また、県内で支援法が適用された際に適用外となった市町村の被災者に、支援法相当の県独自の支援金制度を持っています。しかし、その規模は限定的であると言わざるを得ません。新潟県では、中越地震の際に、国の支援により三千億円の基金を設置し、その利子収入を柔軟に使って、被災者支援を行っています。当初、事業メニューを募集し、千七百八十一件の応募の中から六分野三十メニューを設定、さまざまな貸し付け制度に対する利子補給を初め、生活支援相談員設置補助、応急仮設住宅維持管理補助、事業所解体撤去補助、雇用維持奨励金補助などなど、国の制度では手の届かないきめ細かな支援で、商店街や事業所を含め被災者と被災地域を支援しました。新潟県では十年後にこれら事業の検証を行っていますが、例えば被災畜産農家百六戸のうち九十六戸が事業再開、被害総額七百八十億円の商工業分野でも、商店街では二カ月半でほぼ再開、一年半後には営業未再開ゼロに、工業関係の対象二百十七社が一年後には全て操業再開など、大きな成果を上げています。五年前の豪雨災害の際、JA八女は独自に一億円の基金をつくり、農家の自己負担軽減のために使ったとおっしゃっていました。  本県でも、いつ起こるかわからない災害に備えて、柔軟に被災者や被災自治体を支援するための何らかの形の基金の創設について検討すべきではないでしょうか。知事職務代理者の見解を伺います。  次に、アダルトビデオ出演強要問題について伺います。モデルにならないかとスカウトされ、契約書にサインし、いざ撮影となって現場に行ってみたらAVだった。嫌だと訴えても、契約不履行で違約金がかかるぞ、親にばらすぞとおどされ、仕方なく撮影に応じると、以後、次々撮影を強要される。このような性暴力の実態が明らかとなり、自殺者も出る中、内閣府男女共同参画局は、インターネットによる実態調査を行い、深刻な実態が浮き彫りになりました。内閣府、警察庁など関係省庁が通知も発出するなど、政府を挙げて相談体制の確立と対策に取り組み始めています。  二〇一五年九月に、AVに出演を強要されていた女性が出演を拒否し、契約不履行としてプロダクションに訴えられていた裁判で、損害賠償の必要はないとする画期的な判決が出されました。これ以降、民間の相談機関であるポルノ被害と性暴力を考える会、略称PAPSや、NPO法人人身取引被害者サポートセンターライトハウスなどに寄せられる相談は急激にふえています。これら機関に寄せられる相談は、全国各地からで、本県からも十数件に上る相談があったとお聞きしました。  裁判に訴えられた女性は、繁華街でタレントにならないかと勧誘され、わいせつな行為をするとは想定しないまま営業委託契約書に署名捺印をしました。当時は高校生で、保護者の同意もなく、契約書のコピーも本人には渡されませんでした。契約書を盾に、最初からわいせつな仕事をさせられ、プロダクションの一存でAV撮影も強行され、女性はやりたくないと懇願したけれども、違約金が生じるとおどされ、やむなく応じざるを得なかった。撮影の一日目には、数名の男性によって性行為を繰り返しされ、そのショックで放心状態のときに、新たなAV契約に署名捺印させられたそうです。もうやめてと何度も懇願したけれども、聞き入れてもらえず、出演しなければ一千万円の違約金を払えとおどされました。この女性は、自力でPAPSにたどり着き、相談し、さきの裁判となったものです。しかし、相談に来られる方は氷山の一角で、相談せず、苦しみ続けている人が多くいるのではないでしょうか。性暴力は魂の殺人と言われます。明らかな性暴力、強姦を行った上、それを撮影され、契約書を盾に違約金を迫られ、自己責任だと思わされる。こんな二重三重の人権侵害が若年層に対して行われていることに怒りを禁じ得ません。  そこで、福岡県でこうした被害をなくし、相談体制を確立していただきたいという立場から、以下質問をします。まず、アダルトビデオ出演強要について、本県の相談窓口に寄せられた件数を明らかにしてください。内閣府の通知も受け、本県においてどのような対策が講じられているか、あわせてお答えください。  また警察庁からも、三月にアダルトビデオ出演強要問題に関する通達が出されています。これを受けた警察の対応と、警察に寄せられた相談件数をお答えください。  被害者が警察に行った際、契約書があるのなら仕方がないと言われたり、何で断らなかったのかと言われ、さらに傷つけられるという事例があったと聞きます。深刻な被害の実態があることを踏まえ、被害者の立場に立って実態を聞くこと、証拠がなく違法性が立証できない場合でも、民間の相談機関につなぐなどの丁寧な対応が求められると思います。警察本部長の答弁を求めます。  文部科学省からも、四月に事務連絡として、いわゆるアダルトビデオの出演強要問題・「JKビジネス」問題に関する周知についてが出されています。新入生に対する注意喚起、関係機関の相談窓口の周知など、未然防止と被害を受けてしまった場合の回復のための取り組みを依頼しています。これを受けて、どのような取り組みがなされたのか、教育長にお尋ねします。私立学校については、知事職務代理者に答弁を求めます。  この問題を含む性暴力やセクハラ問題の解決のためには、性暴力が人権侵害だという認識を持つことが大切であり、性教育こそが性暴力を防ぐ最大の費用対効果を発揮するとの指摘もあります。自己決定のスキルを育むセクシュアリティー教育が国際的に取り組まれていますが、本県の性に関する指導はどのように取り組まれていますか、教育長にお尋ねします。  また、契約や労働者の権利について知識がないことも問題を深刻にしており、労働者の権利教育も重要です。この取り組みについて、あわせて教育長の答弁を求めます。  この問題の解決のためには、アダルトビデオ業者等による個人の意に反した勧誘、雇用、制作、販売、配信等による性的被害を防止するための罰則つきの総合的な法整備が必要であると考えます。国に対して法整備を求めるとともに、東京都がJKビジネスを規制する条例をつくり、本年七月実施で防止に乗り出したように、本県としても条例制定によって性的被害を防止する対策を行うべきだと考えます。知事職務代理者の見解をお聞きします。  最後に、犯罪的に撮影された女性の写真が掲載された成人向け雑誌が、コンビニで子供の目線に触れるところに陳列されています。青少年の健全育成の観点から、雑誌に帯をつけるなど表紙が子供たちの目に触れなくなる対策をとるよう業界に要請していただきたいと考えます。答弁を求めます。  PAPSなどに来られる方には、来週、写真が載った雑誌が販売される、何とかとめてほしいというせっぱ詰まった相談が少なくなく、コンビニ発売から地獄が始まるとも言われており、被害者保護の観点からも有効と考えます。この取り組みを進めていただくことを強く求め、質問を終わります。(拍手) 35 ◯副議長(守谷 正人君) 知事職務代理者服部副知事。 *知事職務代理者答弁 36 ◯知事職務代理者・副知事(服部 誠太郎君)登壇 御答弁を申し上げます。  まず初めに、北朝鮮問題への政府の対応について御質問がございました。北朝鮮問題への対応は、我が国の外交と安全保障にかかわる最たる問題でございまして、これまでの経緯も踏まえ、国において対応されるべきものであると考えております。  次に、核兵器禁止条約に対する見解並びに日本政府への働きかけ、及び知事の署名についてでございます。我が国は世界で唯一の被爆国であり、核兵器のない平和な世界の実現が望まれるところでございます。一方、条約の締結は、外交政策に関する国の専管事項に属するものでございまして、政府が責任を持って取り組む課題であると考えております。  次に、九州北部豪雨災害による半壊家屋の公費解体についてお尋ねがございました。半壊家屋につきましては、原則として国の災害等廃棄物処理事業の補助対象とはなっておりません。しかしながら、阪神・淡路、東日本、熊本の震災におきましては、半壊家屋の被害が極めて多く、半壊家屋の解体撤去のおくれが被災地の復旧、復興の大幅なおくれにつながるおそれがあったことから、特例的に補助対象とされたところでございます。今回の豪雨被害におきましては、九月二十一日時点で、半壊家屋が八百二十四件と多数に上り、半壊家屋の解体撤去のおくれは被災地の復旧、復興の大きな支障となるものと考えます。また解体撤去に要する費用は、被災者の皆様にとって大きな負担でございます。このため朝倉市、東峰村は、半壊家屋の解体撤去も公費補助の対象とするよう求めております。こうしたことを踏まえまして、県は県議会とともに、国に対し、熊本地震等と同様に半壊家屋の解体撤去を国の補助の対象とするよう、七月二十七日には山本前環境大臣に、八月二十八日には中川環境大臣に直接要請いたしますなど、強く働きかけを行っているところでございます。今後ともあらゆる機会を捉えて、国への要望を継続してまいります。  次に、災害に備えた基金の創設についてでございます。本県では、災害に備えて、災害救助法に基づきまして災害救助基金を設置して、避難所の設置や応急仮設住宅の供与など、応急的に必要な救助の費用に充てております。また、大規模な災害などに備えまして財政調整基金を設置しておりまして、被災者への柔軟な支援など災害の復旧、復興に係る支援策において財源不足が生じた場合には、これを活用してまいります。  アダルトビデオ出演強要問題に関する本県の現状とその対策についてお尋ねがございました。近年、大都市圏を中心に、若年層の女性がアダルトビデオに出演するという認識がないままにプロダクションと契約を締結し、その後本人の意に反してアダルトビデオに出演を強要されるなどのケースが明らかになっております。本県におきましては、これまで県内の相談窓口に一件の相談が寄せられております。県といたしましては、本年五月の内閣府からの通知を受けまして、市町村と関係機関に対し、県民への被害防止のための注意喚起と相談窓口の周知徹底を行うことを呼びかけてきております。あわせて、担当窓口の相談員に対して実施をいたしております女性相談のスキルアップ研修におきまして、丁寧な相談対応と関係機関への適切な橋渡しを行うよう指導をしているところでございます。また、特に若年の女性を中心といたしまして、この問題に関する注意喚起と相談できる窓口をお知らせするため、大学、短大や女性団体などに対し、県の男女共同参画センターが発行いたします「あすばる定期便」を一万部配布するなどの啓発を行っているところでございます。  アダルトビデオの出演強要問題等に係る私立学校に対する取り組みについてでございます。県では、文部科学省からの通知を受けまして、本年四月、県内の私立学校に対し、新入生の入学ガイダンスなどの機会を捉えて、十分に注意喚起を行うなど必要な指導を行うよう依頼をいたしました。また相談窓口などの情報をまとめました資料の活用についても周知を行ったところでございます。  アダルトビデオ出演強要問題に対する取り締まり規制についてでございます。国からは、さらなる実態の把握や取り締まり、教育、啓発の強化などが今後の対策として示され、この中で、地方公共団体に対しましても、国の取り組みへの協力や相談対応状況の報告が要請をされました。県といたしましては、国の通知に基づきまして、まずは県民に対する被害防止のための教育、啓発や相談窓口の周知に努めることといたしております。あわせまして、県警察や政令市、女性相談所、弁護士会などにより構成されます性暴力被害者支援事業連絡会議を通じまして、被害の実態を把握してまいります。  最後に、コンビニエンスストアにおける成人向け雑誌に対する取り組みについてでございます。県では、福岡県青少年健全育成条例に基づきますコンビニエンスストアへの立入調査を行う際には、成人向け雑誌の表紙が見えないようにする方法を示した冊子を配付しながら、各店舗に対し協力を依頼しているところでございます。また、コンビニエンスストアが加盟しております日本フランチャイズチェーン協会に対しまして、業界として成人向け雑誌の表紙が見えないような陳列に取り組むよう働きかけを行っております。県といたしましては、引き続き業界団体の協力をいただきながら、青少年を取り巻く環境の浄化を進めてまいります。 37 ◯副議長(守谷 正人君) 城戸教育長。 *教育長答弁 38 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 アダルトビデオ出演強要問題に係る文部科学省の文書を受けての取り組みについてでございます。県教育委員会におきましては、国の依頼を受け、各県立学校や市町村教育委員会に対し、児童生徒への注意喚起を行うことや、防犯指導等の際に相談窓口の周知を行うことなどを求めたところでございます。また、県立学校においては、校長研修会や副校長・教頭研修会、生徒指導研修会において、中学生、高校生の性的な被害の実態などについて説明を行い、被害の未然防止に努めるよう指導しております。  本県の性に関する指導の取り組みについてでございます。学校における性に関する指導は、学習指導要領に基づき、保健体育科や家庭科及び特別活動等の中で取り扱うこととなっております。具体的には、性的な発達や性に関する情報への適切な対処の仕方について、また自己の行動に責任を持つことや、男女が相互に尊重し合うことの大切さなどの指導を通して、性についてみずから判断し、適切な行動選択ができる児童生徒の育成に努めております。また実施に当たりましては、生徒の実態や発達段階を踏まえるとともに、保護者との十分な連携を図りつつ、指導者個人の思いだけで実施することのないよう教育課程に位置づけ、年間指導計画に基づいて組織的に行うよう指導しております。  契約や労働者の権利に関する教育についてでございます。中学校の社会科や高等学校の公民科などにおいては、契約の意義やこれを交わす上での留意点とともに、意思に反する労働の強制の禁止や労働条件の明示義務など、安心して働くための法律や制度について学習しております。今後とも、社会生活上必要な法的知識をみずからにかかわるものとして理解させ、その上で被害の未然防止及び被害に遭った場合の救済方法について理解を深められるよう指導の充実に努めてまいります。 39 ◯副議長(守谷 正人君) 高木警察本部長。 *警察本部長答弁 40 ◯警察本部長(高木 勇人君)登壇 アダルトビデオ出演強要問題への対応についてお答えをいたします。県警察におきましては、これまで、いわゆるアダルトビデオへの出演にかかわる相談を受理したことはありますが、アダルトビデオに強制的に出演させられたといった相談が、県警察に直接寄せられたことは把握をしておりません。県警察といたしましては、本年四月に通達を発出し、被害防止のための広報啓発と相談窓口の周知、実態把握及び各種法令を適用した厳正な取り締まりを柱とした諸対策を各警察署に指示したところであります。今後、被害者からの相談等については、丁寧かつ真摯に対応するとともに、違法行為があれば各種法令を適用して厳正に取り締まってまいります。 41 ◯副議長(守谷 正人君) 高瀬菜穂子君。 42 ◯三十番(高瀬 菜穂子君)登壇 御答弁いただきました。  まず、北朝鮮問題、核兵器禁止条約への対応については、余りに主体性のない答弁で、これでは県民の生命、安全に責任を持っているとは言えないということを強く申し上げます。  その上で、二点要望をいたします。一点は、半壊家屋の公費解体についてです。これを市町村独自で行うには、余りにも費用負担が大きいです。ですから、もし国が半壊を対象としない場合、特別交付金など国の支援が不可欠だということも含めて強調していただきたいと思います。  二つ目は、AV出演強要問題ですが、それぞれの取り組みは緒についたばかりだと思います。民間の相談機関は既にたくさんのケースを抱えており、行政との連携が不可欠だと言われています。取り組みの充実強化を強く要望いたします。  また、相談に当たっては一人一人に寄り添う伴走型の専門的な支援が必要であり、そのための人員配置、体制整備についても、あわせて要望いたしまして、質問を終わります。(拍手) 43 ◯副議長(守谷 正人君) 古川忠君。(拍手) *古川議員質問 44 ◯六十六番(古川 忠君)登壇 真政会の古川忠であります。早速質問に入ります。  今議会での最大の焦点は、何といっても、この七月の九州北部豪雨災害についての諸問題、また復旧、復興についての議論でありました。各会派の代表質問でも多くの時間が費やされ、また先ほどは林議員から大変臨場感のあふれる報告と、また熱のこもった質問がありました。私は、この災害を通じて特に感じたこと、そして危機感を抱いた山腹崩壊と急傾斜地に関する問題に絞って質問いたします。  私は、かつて毎日新聞記者として、多くの水害の現場を取材してまいりました。とりわけ昭和五十七年七月二十三日の長崎大水害では、一時間雨量百八十七ミリ、また河川の氾濫や鉄砲水、土石流によって二百九十九人もの死者、行方不明者を出すという大惨事がありました。今回、議員諸兄も朝倉市等の現場にも行かれたと思いますが、私も発災直後から数回被災現場に足を運びました。新聞、テレビ等でもたびたび報道され、多くの映像が流されましたが、中でも杷木松末集落の高台にある松末小学校の校舎に流木が流れ込み、教室や運動場が土砂に埋まっている光景は、まさに衝撃的でありました。これほどのおびただしい量の流木と土砂が一体どこから流れ込んだのか、今回の大水害は、私が今まで経験し、また取材した従来の大河川の氾濫や土砂崩れとは違う特異な水害の形であります。そして、なお問題なのは、気候変動等による近年の局地的な豪雨の頻発が予想される中、このような山肌が次々に崩壊するという特異な形の災害は、今後日本中で起こり得るということ、我が地元福岡市早良区であっても、中山間地においては、今回と同様の雨が降ったら大災害になるのではないかという不安と恐怖を覚えたのであります。  そこで質問いたします。今回の被害を大きくしたのは、大小含めて広範囲にわたる山林の崩壊が原因と思われますが、県は平成二十年、森林環境税を導入し、災害防止等の面から荒廃森林の再生、保全事業を行ってきました。さきに発表された報告書によると、この九年間で二万四千ヘクタールの再生事業を行ったとしていますが、その内容と事業効果を、まずお尋ねいたします。  その上で、改めて朝倉市と東峰村の山林被害の状況について説明を求めます。あれだけ広範囲に、また多くの箇所の山腹崩壊を見るにつけ、私は、その中にこの荒廃森林の再生事業を行った箇所、本来であれば保全が保たれていると考えられたところでも、あるいは山崩れ等があったのではないかと直感いたしました。そこで、実態はどうであったか御説明を願います。  県は、発災後に山地被害対策チームを設置し、また林野庁においても現地調査を実施していますが、今後、国、県が緊密な連携をとりながら迅速に原因究明等を進めていくことが重要だと思います。ついては、今後のスケジュール等について質問いたします。  一方、県は、さきの篠栗町の土砂崩れや広島での大規模な土砂災害を受け、土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンを指定するなど、ハザードマップを公表いたしました。例えば、我が地元福岡市早良区の中山間地では、ほとんどの地域がこのレッドゾーンに指定されております。今回の大災害を見て、これらの住民は大きな不安を抱いております。レッドゾーン内の土砂災害対策について、ハード、ソフトの両面から、今後どのように取り組んでいくのか伺いたいと思います。  さきに指摘した森林の再生、保全には、これからも多くの時間を要すると思います。しかしながら、今回のような災害がいつ、どこであってもおかしくない、このような気象状況、さまざまな状況であります。当面の対策として、治山ダムや砂防ダムなど山腹崩壊や土石流への対策が急がれると思います。今後どのように対応をしていくのか、御答弁をお願いいたします。(拍手) 45 ◯副議長(守谷 正人君) 知事職務代理者服部副知事。 *知事職務代理者答弁 46 ◯知事職務代理者・副知事(服部 誠太郎君)登壇 御答弁を申し上げます。
     まず初めに、荒廃森林再生事業についてお尋ねがございました。林内の植生が消失いたしますなど、早急に手入れを必要とする荒廃森林につきましては、実施主体でございます市町村が森林所有者との協定を締結いたしましたものから、平成二十年度以降、順次間伐等を実施し、整備してまいったところでございます。整備された森林では、太陽の光が差し込み、植生が回復したことにより、土壌の流出が減少し、水源の涵養、土砂災害の防止など森林の有する公益的機能が回復されつつあります。  次に、山地災害の状況についてお尋ねがございました。九州北部豪雨により山腹や渓流の崩壊が、朝倉市では七百二十八カ所、東峰村では九十四カ所発生をいたしております。再生事業を行った森林の被害状況につきましては、昨年度までの九年間で森林環境税を活用して、朝倉市で八百八十九ヘクタール、東峰村では二百八十三ヘクタールの荒廃森林が整備をされたところでございます。このうち今回の災害により、朝倉市では七ヘクタール、東峰村では二ヘクタールの森林が崩壊をいたしました。  山地災害の原因究明等に関する今後のスケジュール等についてでございます。今回の災害を受けまして、山腹崩壊や流木発生の要因を調査し、今後の対策を検討いたしますため、国は流木災害等に対する治山対策検討チームを、県は山地災害対策チームを、それぞれ設置をいたしまして、学識経験者の方の協力をいただきながら、現地調査を実施いたしたところでございます。現在、県の対策チームで崩壊地の詳細なデータの分析を行っておりまして、今後国にも情報を提供してまいります。国の対策チームでは、災害発生のメカニズムの分析と検証を行い、十月中には今後の効果的な対策についての中間取りまとめが行われる予定でございます。  次に、急傾斜地の安全対策につきまして、土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンにおける本県の土砂災害に対する取り組みについてお尋ねがございました。平成十一年に発生をいたしました広島土砂災害を契機といたしまして、土砂災害防止法が制定をされ、それまでの砂防ダム整備等のハード対策に加え、土砂災害が予想される箇所においてレッドゾーンを指定し、警戒避難体制の充実、建築、開発の制限等のソフト対策を講ずることとなっております。このレッドゾーンにおきましては、区域指定の解除に向けたハード対策を実施しておりまして、保全対象となる施設の状況、過去の災害履歴、市町村からの要請といった点を勘案し、重要性、緊急性の高い箇所から整備を進めております。  ソフト対策といたしましては、土砂災害警戒情報を気象台と共同で発表いたしまして、あらかじめ登録した方へ防災メール・まもるくんで自動配信をしております。これに加え、本年五月から土砂災害危険度情報を、あらかじめ登録いたしました要配慮者利用施設へ別のシステムにより自動配信をしております。今後は、防災メール・まもるくんを活用いたしまして、情報を一元化した上で一般の方にもプッシュ型で配信するなどソフト対策の充実に努めてまいる考えでございます。これに加えまして、今回の土砂災害の検証による知見なども踏まえ、引き続きハード対策についても着実に進めてまいります。  本県における今後の土砂災害対策の進め方についてでございます。朝倉市や東峰村におきましては、今回の豪雨により土砂や流木が発生した谷部に治山ダムを百九十一カ所、砂防ダムを六十六カ所設置をいたしておりました。これらのダムにつきましては、航空写真や現地調査によりまして、土砂や流木を捕捉したことを確認をしておりまして、下流の被害を軽減する効果があったものと考えております。このことから、土砂災害の発生を抑制する治山ダムや砂防ダムの整備を着実に進めていくことが必要であると認識をいたしております。県では、国土交通省、学識者から成る筑後川右岸流域河川・砂防復旧技術検討委員会、林野庁では、流木災害等に対する治山対策検討チームにおきまして、今回の記録的豪雨による災害の発生要因や今後の対策について検討を進めておるところでございます。県といたしましては、今回の災害で流木捕捉に一定の効果が見られました透過型ダムを、従来のコンクリートダムと組み合わせて設置するなどの対策を進めてきたところでございますが、今後はこれらの技術検討委員会での検討結果等を踏まえながら、より効果的な治山ダム、砂防ダムの整備を着実に進めてまいります。あわせて、土砂災害に関する情報の配信等のソフト対策の充実にも努めてまいります。今後とも、ハード、ソフト一体となった総合的な土砂災害対策をしっかりと進めてまいります。 47 ◯副議長(守谷 正人君) 古川忠君。 48 ◯六十六番(古川 忠君)登壇 大変御丁寧な答弁をいただいたと思います。  森林の広域保全については、災害の防止、それから水源の涵養、また生物多様性の保護、それからCO2削減という環境問題、それぞれあります。しかしながら、何といっても重要なのは、人命に直結する災害防止、この役割が大きいと、私は思います。  森林環境税の導入から十年、この荒廃森林を再生、保全するために、さらに十年間継続することを県のほうは決められました。しかしながら、今回問題にしたいのは、本来、その税金を使って再生保存をした安全であるはずのその地域が、やはり災害に遭っている。航空写真を合わせてみたら、ぴたっと合うんですが、対策を行ったところでも、そういう問題が起きております。このことを、私は今回、特に問題提起をしておきたい、そう思っております。  最近よく記録的短時間大雨情報というのを耳にしますけれども、これは本来気象庁から言えば、数年に一度の大雨という意味であります。しかしながら、各地の豪雨を見ておりますと、この常識はそろそろ変えにゃなりません。いつこのような豪雨が、どこで発生するかわからない、そういう状況の中で、大変被災地の皆さんには申しわけありませんが、今度のこの災害は、大変貴重なデータと教訓になるだろうと私は思います。国、県の調査の中間報告が十月にあるという報告がありましたけれども、この報告は、恐らく全国が注目しているものと私は思います。そういう意味におきましても、今回のこの特異な水害の分析をしっかり行って、そして具体的な方策を迅速に出すことを強く要望いたしたいと思います。  また、最後になりましたけれども、今回被災地に行くたびに、多くの警察の方、自衛隊の方、多くの関係者、そしてボランティアの方が、猛暑の中、炎暑の中、一生懸命働いておられました。心から皆さん方に感謝と敬意を申しまして、私の質問を終わりたいと思います。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 49 ◯副議長(守谷 正人君) 桐明和久君。(拍手) *桐明議員質問 50 ◯四十一番(桐明 和久君)登壇 自民党県議団の桐明和久です。通告に従い一般質問を行います。  九月十八日月曜日は、多年にわたり社会に尽くしてこられた老人を敬愛し、長寿を祝うことを趣旨とする敬老の日でありました。大曲副知事も、久山町久原の安川マスヱさん(九十九歳)宅を訪問され、総理名の祝い状や銀杯を渡されたとの記事を見ましたが、県内各地で祝賀会が開催されたようであります。  総務省が、本年九月十七日に公表した六十五歳以上の高齢者の推計人口によると、九月十五日時点で前年同期を五十七万人上回る三千五百十四万人となり、総人口に占める割合は二七・七%と、過去最高を更新しております。また、このことは日本の高齢者の割合、先進七カ国の中でも最高であり、二位のイタリアの二三・〇%とは四・七ポイントの差があり、まさに世界に類を見ないスピードで高齢社会へ進行しております。  そこで、まずお聞きしますが、本県の県内四地区ごとの六十五歳以上の高齢者数と総人口に占める割合についてお伺いします。  あわせて、国内で行われている生産活動についている中核の労働力となる十五歳以上六十五未満の年齢に該当する人口である生産年齢人口についても、県内四地区ごとの人口と占める割合についてお聞きします。  さて、我が国の平均寿命は、国連が六十五歳以上を高齢者と定義した昭和三十一年から平成二十七年までの五十九年間で、男子は六十三・五歳から八十・八歳と約十七歳、女性は六十七・五歳から八十七歳と約二十歳と大幅に伸びており、元気な高齢者がふえております。  そこでお尋ねしますが、長寿社会の中で、高齢者の定義とされる六十五歳と、今日の高齢者の状況についての認識と、またそれに対する課題についてお聞きいたします。  少子、高齢化の進行に伴い、労働力である生産年齢人口が減少する中、昭和二十五年に生産年齢人口十二・一人に対し一人で支えていた高齢者を、六十五年経過した平成二十七年には二・三人で一人を支える状況となっております。一方、高齢者の多くは、六十五歳を過ぎても元気で働けるうちは地域で活躍したい、何か社会のために役立ちたいと考える高齢者の就業が進んでおります。高齢者が働くことにより、これまで長きにわたり現場で培ってきた経験や豊かな知識、熟練の技術、技能等の多様な能力を有効活用し、後継者の育成など次世代への継承ができるばかりでなく、本人にとっても生きがいや健康の維持、増進が図られ、結果として就業率の高い地域は要介護・支援認定率が低くなる結果があらわれております。また、高齢者の就業拡大は地域の活性化やコミュニティーの維持、存続、あわせて所得の向上や活動の活発化により、消費の拡大にもつながると言われております。  そこでお尋ねしますが、高齢者が働くことにより、つまり支えられる側からだけで見られていた高齢者が、支える側に回ることによる地域への効果についてお聞きいたします。  福岡県では、超高齢化社会への対応として、全国に先駆け七十歳現役社会づくりに取り組んでおり、高齢者のための支援拠点として県内四カ所に福岡県七十歳現役応援センターがありますが、四地区ごとの支援の現状、あわせて県内それぞれの地域の現状に合った支援をするには市町村との連携が重要であると考えますが、その連携状況についてお聞きいたします。  さて、今回の質問は、高齢者が活躍できる社会づくりについてということで質問をしてきました。私の地元八女市、広川町の生産年齢人口を見ますと、福岡県全体の五九%に対し、八女市は五・五%のマイナス、広川町は一・九%のマイナスとなっております。しかし、地域は伝統工芸や自然に恵まれた環境の中での一次産業などを中心とした産業で生計を立て、地域の伝統文化を継承し、次世代に引き継いでいこうと高齢者が頑張っておられます。この姿を見ると、高齢者であります六十五歳から七十歳代が元気に頑張っていただくことにより、生産年齢人口のマイナスに対し高齢者を加え、高齢者にカバーしていただくことにより、プラスに変えることができると思います。そのためにも、県においては、これから担っていく若者への支援も大切でありますが、今を担っている高齢者に対しても支援が必要であると考えます。  そこでお聞きしますが、高齢者が活躍できる福岡県づくりについて今後どのように取り組んでいかれるのかお聞きし、質問を終わります。(拍手) 51 ◯副議長(守谷 正人君) 知事職務代理者服部副知事。 *知事職務代理者答弁 52 ◯知事職務代理者・副知事(服部 誠太郎君) 御答弁を申し上げます。  高齢者が活躍できる社会づくりにつきまして、まず初めに、現在の高齢者についての認識と課題についてお答え申し上げます。昭和三十一年、国連によって高齢者が六十五歳以上と定義されましたときの日本人の平均寿命は、男性で六十三・五九歳、女性は六十七・五四歳でありましたが、平成二十八年の平均寿命は、男性は八十・九八歳、女性では八十七・一四歳と、大きく伸びております。我が国では、世界に類を見ない高齢化、少子化が進行いたしておりまして、地域社会の活力をいかにして維持していくかが喫緊の課題となっているところでございます。一方で、高齢者の八割以上の方は、要介護、要支援の認定を受けていないなどお元気でありまして、また七割の方は働きたい、社会の役に立ちたいという意欲をお持ちでいらっしゃいます。そのような高齢者の皆様の思いに応え、高齢者が年齢にかかわりなく、それぞれの意思と能力に応じて活躍し続けることができるよう、就業や社会参加への支援や社会の意識改革などを進めていく必要があると認識をいたしております。  次に、高齢者が支えられる側から支える側になることによる効果についてお尋ねがございました。これまで支えられる側であった高齢者が、その力を存分に発揮し、支える側として活躍することができれば、社会経済の活性化に寄与するとともに、社会保障制度における現役世代の負担軽減や制度運営の健全化につながることが期待をされます。また、高齢者が社会の一員として活躍されることは、生きがいや誇り、健康の維持、増進にもつながるものと考えております。  七十歳現役応援センターの取り組み実績と利用者増加に向けた市町村との連携についてでございます。七十歳現役センターでは、就業やボランティアなどの社会参加の相談に来られました方に対しまして、経歴や技能、体調などを丁寧に聞き取らせていただき、多様な選択肢を御提案した上で、マッチングを行っております。また、企業を訪問いたしまして求人の開拓をいたしますとともに、七十歳まで働ける制度の導入についても働きかけを行っておりまして、高齢者の活躍の場の拡大に努めているところでございます。こうした取り組みにより、平成二十四年度から二十八年度までの五年間で一万九百二十七人の方に登録をいただき、四千八百九十九人の方の進路が決定をしました。また、求人開拓は千九百九十四社、四千三百四件に上り、四百七十二社が七十歳まで働ける制度を導入をされたところでございます。さらに、多くの県民の方にこのセンターを利用していただくためには、市町村との密接な連携が重要であると考えております。このため、センターでは市町村との共催で、しごと・ボランティア合同説明会を県内四地区で開催いたしますほか、市町村の要請に応じまして、市役所などに出張相談窓口を設置いたしております。また、市町村に対しチラシやリーフレットなどの配架、ホームページ等への掲載を依頼しますほか、市町村等が主催いたします高齢者の方がたくさん集まるイベント、あるいは就職についての合同相談会等におきましてブースを設置し、センターのPR活動を行っております。このように、地元の市町村ときめ細かく連携し、取り組みを進めているところでございます。  高齢者が活躍できる福岡県づくりについてでございます。福岡県総合計画では、十の柱の一つとして、高齢者が元気で活躍する社会づくりを目指しまして、七十歳現役社会づくりを推進することといたしております。その中では、七十歳現役応援センターによる進路決定者数を指標といたしまして、平成三十三年度までの累計で一万三千人の達成を目標値に設定いたしております。この目標達成に向けまして、センターの認知度をさらに高め、利用実績をふやしていくとともに、官民が一体となって高齢者の活躍の場を広げ、一人でも多くの高齢者の皆さんが生き生きと活躍できるよう、七十歳現役社会の実現に向けてしっかりと取り組んでまいります。  なお、残余につきましては企画・地域振興部長及び福祉労働部長から答弁させます。 53 ◯副議長(守谷 正人君) 小山企画・地域振興部長。 *企画・地域振興部長答弁 54 ◯企画・地域振興部長(小山 英嗣君)登壇 県内四地域ごとの高齢者数と人口に占める割合、生産年齢人口とその割合についてお答え申し上げます。  まず、県内四地域ごとの高齢者数と人口に占める割合、生産年齢人口とその割合についてでございます。八月一日現在の県推計人口によりますと、六十五歳以上の高齢者人口及び人口に占める割合は、福岡地域が五十九万五千二百十五人で二二・七%、筑後地域が二十四万一千三百七十九人で三〇・〇%、筑豊地域が十三万七千七百五十六人で三三・六%、北九州地域が三十八万七千五百六十二人で三〇・五%となっております。  同様に、十五歳から六十四歳までの生産年齢人口と割合につきましては、福岡地域が百六十三万四千百二十一人で六二・二%、筑後地域が四十五万三百六十八人で五六・〇%、筑豊地域が二十一万九千七十二人で五三・五%、北九州地域が七十万七千九百九十一人で五五・八%となっております。 55 ◯副議長(守谷 正人君) 神代福祉労働部長。 *福祉労働部長答弁 56 ◯福祉労働部長(神代 曉宏君)登壇 七十歳現役応援センターの四地区のオフィスにおける、平成二十八年度末までの利用者実績について御答弁申し上げます。福岡オフィスでは、登録者が五千三百五十六人、進路決定者が二千二百五十三人、北九州オフィスでは、登録者が二千八百七人、進路決定者が千三百八十七人、久留米オフィスでは、登録者が千七百九十人、進路決定者が八百七十一人、飯塚オフィスでは、登録者が九百七十四人、進路決定者が三百八十八人となっております。 57 ◯副議長(守谷 正人君) 川崎俊丸君。(拍手) *川崎議員質問 58 ◯五十八番(川崎 俊丸君)登壇 民進党・県政クラブ県議団の川崎俊丸です。通告に従い、発達障がい者支援センターの機能強化についてと玄海原発三、四号機の再稼働について質問を行います。  最初に、発達障がい者支援センターの機能強化について知事職務代理者にお聞きします。           〔守谷副議長退席 樋口議長着席〕  本県には、これまで両政令市を除き、田川市と八女郡広川町の二カ所に発達障がい者支援センターが設置され、社会福祉法人によって運営されてきました。発達障がい者支援センターの運営実態については、二〇一六年九月議会において、会派としての視察を踏まえた代表質問で、本人や保護者が直接面談を申し込んでも一カ月、長いときには二カ月以上待たされている実態があること、広川町と田川市の二カ所で両政令市を除く県域全てをカバーしており、相談者のアクセスにも大きな課題を抱え、特に遠距離の方は日常的な利用に困難を来している状況にあることなどを指摘し、発達障がい者支援センターの機能強化を求めてきたところです。この質疑を受け、県が、今年度予算において、既存の支援センターに加え、新たに北九州地域と福岡地域、二カ所に発達障がい者支援センターを設置する方針を決め、必要な予算を計上しました。このことは高く評価しているところです。  県の計画によると、新たな二カ所の支援センターについては、社会福祉法人に公募をかけ、企画提案の中から最もすぐれた提案の法人を選定する、いわゆるプロポーザル方式により決定するとして取り組みを進めており、既に北九州地区については社会福祉法人北九州福祉事業団が選定され、北九州療育センター内に福岡県発達障がい者支援センター(北九州地区)が九月一日に開設されています。残る福岡地区についても、選定手続が進められているとのことです。これらの取り組みによって、県内には四カ所の発達障がい者支援センターが設置されることになります。  そこでお聞きします。一点目に、県内四カ所体制となって、さらなる機能強化が期待されますが、発達障がい者支援センターの現状に対する認識とあわせて、県内四カ所体制による機能強化について、どのように取り組んでいくのかお聞きします。  二点目に、既に開設された北九州地区の支援センターの開設に至る経緯と、福岡地区の支援センター開設に向けた現在の進捗状況をお聞きします。  三点目に、発達障がい者支援拠点病院についてお聞きします。今日、発達障がいのみならず、子供の心の診療の充実が求められる中、国は、二〇一一年度から子どもの心の診療ネットワーク事業を開始しました。この事業は、各都道府県に拠点病院を一カ所指定し、地域の医療機関、児童相談所、発達障がい者支援センター、児童福祉施設、教育機関等と協力、連携して、子供のケアや家族の支援を行うもので、二〇一六年三月末までに十八都府県が事業を実施しています。本県は、今年度からこのネットワーク事業を活用し、支援センターと地域の関係機関相互の連携を促進するとしています。そのため、本県は去る六月二十三日、九州大学病院を発達障がい者支援拠点病院に指定をいたしました。  そこで、拠点病院としての九州大学病院は、具体的にどのような役割を担うのか、また本県の支援センターとの連携及び機能強化についても、あわせてお聞きします。  次に、玄海原発三、四号機再稼働について知事職務代理者に質問します。二〇一一年三月十一日の福島第一原発事故から六年半が経過しました。福島第一原発事故は、広範囲な国土や自然環境、長い歴史の中で形づくられてきた地域社会を壊滅的に破壊する、史上最大級の原子力災害として、事故収束の見通しすら立てられない状況にあります。三・一一事故まで、国や電力会社は、原発は安全だと安全神話を振りまいてきましたが、原子力発電の危険性は、福島第一原発事故という未曽有の大災害として、図らずも私たちの目の前に最悪の形で明らかになり、原発の安全神話は完全に崩壊しました。三・一一事故による放射能汚染は、福島県内はもとより関東一円を含む東日本全域に及び、海や山、川、空や大地、そして人々が暮らす集落や町も、本来自然環境には存在しないはずの放射性物質に汚染されました。この放射性物質は、半減期が数万年に及ぶと言われるものもあり、今後も半永久的に影響を及ぼすこととなると言われています。さらに、三・一一事故による放射性物質の拡散、汚染による避難は、国の推計で十一万三千人を超えるとされており、膨大な数の人々がふるさとを追われることになりました。  私は、県議会議員に初当選以来、玄海原発問題について、たびたびこの場で取り上げてまいりました。福島第一原発の事故が起こる前は、議会で玄海原発問題を取り上げても、県として危機感は全くなく、原発の安全性は確保されており、原子力防災体制の強化は必要がないという認識でした。福島第一原発事故を受けて、国及び電力事業者は、原発政策と原子力防災の抜本的見直しを求められました。これを受けて、福岡県の原子力防災体制も見直しが進められてきました。  玄海原発問題については、東日本大震災直後に就任された小川知事のもとで、我が会派としてもたびたび代表質問で取り上げ、私自身も、玄海原発に隣接する糸島市選出議員として、玄海原発の安全性をめぐる質疑をさまざまな角度から取り上げてきたところです。昨年十二月議会では、広域避難計画の実効性確保を取り上げ、避難計画の実効性が確保されていない中では、原発再稼働は認めるべきでないことを求め、三、四号機の再稼働を容認する小川知事の態度表明を受けた六月議会では、再稼働問題に対する小川知事の福岡県知事としての主体性のなさを指摘するとともに、知事としての責任を問うてきたところです。  現在、玄海原発三、四号機の再稼働に向けた手続が進み、九州電力は、三号機は来年一月、四号機は来年三月中に再稼働を目指すと表明しました。また糸島市では、三十キロ圏の住民の方々を対象に、安定ヨウ素剤の事前配付が始まっています。そのような中で、糸島市民の皆さんからも、県民の皆さんからも、改めて玄海原発再稼働に対する懸念、不安、疑問の声が多く出されており、玄海原発の安全性に対する住民の皆さんの不安は、いまだ払拭されていません。今回の質問は、そのような状況のまま再稼働が強行されてはならないとの立場で、とりわけ三十キロ圏に一万五千人が暮らす糸島市民の不安の声に、県はしっかり耳を傾けるべきだという立場から、知事職務代理者に質問をします。  一点目に、玄海原発の安全性について質問いたします。玄海原発の安全性について、六月議会での私の質問に対する答弁で小川知事は、玄海原発三、四号機は世界で最も厳しい新規制基準に適合した、したがって、安全性は確保されていると答えられました。三・一一事故を受けて、二〇一二年六月、原子炉等規制法の改正が行われるとともに、原子力規制委員会が設置され、翌二〇一三年七月に原子力規制委員会によって新規制基準が施行されました。しかし、この新規制基準は確立された国際的基準を踏まえた基準になっていないばかりか、現在までに判明している三・一一事故の教訓すら生かされておらず、最新の科学的、技術的知見が反映された万全の措置がとられた基準ではないという指摘がなされてきました。  そこでお聞きします。玄海原発三、四号機の再稼働について、県は、世界で最も厳しい新規制基準に適合したことをもって原発の安全性が確保されたと説明していますが、新規制基準は何をもって世界で最も厳しい規制基準と評価し、玄海原発の安全性が確保されていると判断したのかお答えください。  二点目に、広域避難計画の実効性についてお聞きします。六月議会での避難計画の実効性確保に対する私の質問に対して小川知事は、原子力防災に完璧はなく、終わりはないと、質問の趣旨である広域避難計画の実効性確保とは異なる観点で答弁されました。これは、問題のすりかえではないかと考えます。  そこで、改めて県の考え方をお聞きします。第一に、県は広域避難計画の実効性確保は必要と考えているのかどうか。第二に、避難計画は、現時点でどの程度実効性が担保されていると判断しているのか。第三に、広域避難計画の実効性を判断するのは誰なのか、お聞きします。  三点目に、いわゆる地元同意権についてお聞きします。四月二十三日の記者会見における再稼働容認の知事コメントは、佐賀県知事の判断を尊重するとして、福岡県知事としての御自身の考えや判断を示すことを避けられました。尊重するという表現を使った理由を記者から問われた小川知事は、同意権は立地自治体にしかないと説明されました。しかし、国は地元同意を求める範囲について、法的な規定がなく地元の範囲を示す考えはないとしています。そこで、県としては地元同意権について、どのように認識しているのかお聞きします。  四点目に、玄海原発再稼働に対する県民の理解は得られたのかお聞きします。三月二十三日、県内では一カ所の住民説明会が糸島市で開催されました。ここで多くの住民の皆さんが意見を出されています。ここで出された住民の声、疑問や不安は解消されたと考えているのか、あわせて現時点で玄海原発再稼働に対する県民の皆さんの理解は得られたと考えているのかお答えください。  以上、知事職務代理者の誠実な御答弁を期待します。(拍手) 59 ◯議長(樋口 明君) 知事職務代理者服部副知事。 *知事職務代理者答弁 60 ◯知事職務代理者・副知事(服部 誠太郎君)登壇 お答えを申し上げます。  まず、発達障がい者支援センターの現状認識と県内四カ所体制による機能強化についてでございます。田川市と広川町の二カ所に設置しております発達障がい者支援センターでは、発達障がいのある方とその御家族に対する専門的な相談支援、発達支援、就労支援を行いますとともに、福祉、保健、教育などの関係機関に対する情報提供や研修などを行ってきたところでございます。しかしながら、相談につきましては、お申し込みいただきましてから相談実施まで一、二カ月お待ちいただくという状態でございまして、さらにセンターからは遠い福岡、北九州地域から利用しにくいという状況がございました。このため、これまでの二センターに加えまして、北九州地域と福岡地域にセンターを開設し、四センター体制とし、相談までの待ち状況の改善を図りますとともに、必要な方が身近な地域で支援を受けられるよう体制を整備したところでございます。  また、このことによりまして、それぞれの地域の行政、医療、教育機関及び地域自立支援協議会とセンターとの間で、発達障がい児者の支援に関する課題や情報を共有し、地域内の連携がより強化されるものと考えております。さらに四センター合同の連絡会議を定期的に開催をいたしまして、県全体で発達障がい支援の質の向上と、各センターの機能強化を図ってまいります。  北九州地区のセンターの開設に至る経緯と福岡地区の開設に向けた進捗状況についてでございます。九月一日に開設いたしました北九州地域の発達障がい者支援センターにつきましては、受託事業者の公募に対し、社会福祉法人北九州市福祉事業団から応募がございまして、同事業団の発達障がい支援の実績などを評価の上、委託先として決定をいたしたところでございます。福岡地域につきましては、このほど公募を行い、現在企画提案の審査を行っているところでございまして、今月中をめどに委託先を決定の上、来年一月の開設を目指し、準備を進めてまいります。  次に、発達障がい者支援拠点病院の役割、発達障がい者支援センターとの連携、機能強化についてでございます。支援拠点病院につきましては、最新の医学的知見を生かしまして、発達障がいに対する地域の診療機能と発達障がい者支援センターの支援機能、それぞれの強化を図ることを目的といたしまして、九州大学病院を指定したところでございます。地域の診療機能の強化につきましては、九州大学が持つ専門医療の集積を生かしまして、地域で発達障がいの診療に携わる医師に対する研修や医学的知見を生かした相談対応を行っております。発達障がい者支援センターの支援機能の強化といたしましては、専門スタッフの養成研修、医学的側面から助言を行う症例検討会の実施、センターからの困難症例者診療の引き受けを行っております。このほか支援拠点病院は、センターが主催いたします保護者、保育士、幼稚園教諭向けの講習会への講師派遣や発達障がいのある方と家族が行います交流会の企画に対する助言、指導、学校現場への訪問による発達障がい対策の実情把握に、センターと連携して取り組んでおるところでございます。  次に、玄海原発三、四号機の再稼働につきまして、この三、四号機の安全性についてお尋ねがございました。原子力の安全対策の原則は、万が一異常が発生したときは原子炉をとめる、冷やす、放射性物質を閉じ込めるでございます。新規制基準につきましては、原子力規制委員会において、福島第一原子力発電所の事故などで明らかにされた情報を踏まえ、海外の規制基準も確認しながら、我が国の自然条件の厳しさ等も勘案した上で策定されたものでございまして、世界で最も厳しい水準であると認識をいたしております。  玄海原子力発電所三、四号機につきましては、本年一月、この新規制基準に適合していることについて厳正に審査され、国により確認されていると認識しております。また、県といたしましては、これからも玄海原子力発電所の安全性の確保について、国が九州電力を指導、監督するとともに、万々が一事故が起きた場合には、国が責任を持って対処していくことを確認をいたしたところでございます。  次に、広域避難計画の実効性についてでございます。広域避難計画の実効性を確保することは、万々が一の事故の際、県民の皆様の生命や財産を守るために極めて重要なことであると考えております。このため、平成二十四年度からの原子力防災訓練におきまして、糸島市民の皆様を初め多くの関係機関に参加していただき、広域避難訓練や緊急時モニタリング訓練、緊急被曝医療訓練などを実施してきたところでございます。毎年度こういった訓練を実施いたしまして、その検証を繰り返しておりますことから、県としては着実に実効性が高まってきていると考えておりますが、原子力防災の備えに終わりや完璧はございません。今後とも、訓練の実施とその検証を重ねていくことにより、広域避難計画の実効性を高めてまいる考えでございます。  次に、再稼働の同意権についてお尋ねがございました。原子力発電所の再稼働に当たっての自治体の同意につきましては、法令上特段の規定がなく、仕組みもございません。地元同意の範囲につきましては、国が責任を持って決めていただきたいと考えておりますが、これまでの全ての例では、原子力発電所の立地自治体である県と市町となっているところでございます。こうしたことから、玄海原子力発電所の再稼働につきましては、まずは立地自治体の判断が尊重されるべきであると考えております。  再稼働に対する県民の理解についてでございます。本年三月に、県及び糸島市が開催をいたしました住民説明会において出されましたさまざまな御意見、御質問につきましては、国や九州電力の出席者から説明が行われますとともに、説明会の後に出されたものにつきましても、国及び九州電力に確実に伝達し、おのおのの回答を県や糸島市の回答とともに、県及び糸島市のホームページに掲載をいたしております。さらに四月、この住民説明会での御意見や糸島市からの要請を踏まえまして、玄海原子力発電所の安全性の確保、避難計画など原子力防災対策のさらなる充実強化に対する支援、協力について、県として国や九州電力に申し入れを行いました。また、本県といたしましても、玄海原子力発電所の安全性の確保につきましては、内閣府特命担当大臣及び資源エネルギー庁次長との面談におきまして、一つには、国が九州電力を指導、監督するとともに、万々が一事故が起きた場合には、国が責任を持って対処していくこと、原子力について国が引き続き国民の声に耳を傾けながら、幅広い理解が得られるよう丁寧に粘り強く取り組んでいくことなどを確認できましたことから、糸島市長とも協議を行い、立地自治体である佐賀県知事の判断を尊重することといたしたものでございます。これからも原子力発電所の安全性につきましては、国が責任を持って確認、確保し、電力事業者とともに国民の皆様に対し十分な説明を行い、理解を得ていく取り組みを続けていただきたいと考えております。 61 ◯議長(樋口 明君) 川崎俊丸君。 62 ◯五十八番(川崎 俊丸君)登壇 再質問いたします。  第一に、玄海原発三、四号機の安全性について、知事職務代理者は、福島第一原発事故で明らかにされた情報を踏まえ、海外の規制基準も確認し、我が国の自然条件の厳しさを勘案した、世界で最も厳しい水準であると答弁されました。本当にそうですか。知事職務代理者、本当にそう考えてあるんですか。ここはしっかり考えていただきたいなというふうに思います。  そこで、三・一一事故後に、原子力関係法が改正されていますけれども、少し振り返りをさせてください。まず、事故後、原子力基本法の改正が行われました。原子力基本法は、我が国の原子力政策の基本になる法律です。三・一一事故当時は、第二条、基本方針には、原子力の研究、開発及び利用は安全の確保を旨としてと記載されていただけでした。三・一一の事故を受けて、第二項を新たに追加し、「前項の安全の確保については、確立された国際的な基準を踏まえ」るということが、法律に明記をされているわけです。その後、二〇一二年六月、原子炉等規制法と原子力災害対策特別措置法の改正が行われています。改正では、国は、中略しますけど、原子力事業所における深層防護の徹底、被害の状況に応じた対応策の整備、その他原子力災害の防止に関し、万全の措置を講ずる責務を有すると定められています。そして、原子力規制委員会設置法が新規立法として定められ、その第一条、目的にも、「原子力利用における事故の発生を常に想定し、その防止に最善かつ最大の努力をしなければならないという認識に立って、確立された国際的な基準を踏まえて原子力利用における安全の確保を図るため必要な施策を策定」するというふうに規定されているのです。  まとめますと、これらの法改正や法制定で、三・一一事故後の原発の安全規制については、最善かつ最大の努力に基づく万全の体制がとられるべきであり、その基準は、国際的な基準である、いわゆる深層防護の考え方に基づいたIAEAの提唱する基準を踏まえ、いわゆるシビアアクシデント(過酷事故)の発生を想定したものであることを求めているというふうに言えます。にもかかわらず、これら法的に明記された考え方を踏まえるべき新規制基準は、IAEAの提唱する深層防護の体をなしていません。IAEAが提唱する深層防護の基準を取り入れたとする新規制基準には、第四層の防護レベル、これは深層防護の段階は第一層から第五層まであるわけですけれども、その第四層の防護レベルのシビアアクシデント(過酷事故)対策が非常に不十分だという指摘がされています。さらに、第五層の防護レベルである避難計画が、規制基準から外されていることが決定的な問題だと考えます。  そこで知事職務代理者に、このような国際基準を逸脱した新規制基準、これをどう思われるのかお聞きします。  次に、避難計画の実効性確保について再質問いたします。避難計画の実効性確保は、極めて重要と答弁されました。現時点での実効性の評価については確実に高まっている、終わりや完璧はないと、従来の答弁を繰り返されました。これは、知事職務代理者、答えになっていません。避難計画の実効性を判断するのは誰かという質問への答弁はありませんでした。それらの点については、再度御答弁をお願いいたします。  その上で、一点目の質問でも取り上げましたが、IAEAが提唱する深層防護の具体的な措置として、第五層に位置づけられるのが住民避難計画、しかし、新規制基準では、この第五層の避難計画を規制基準から除外しています。その結果、原発の稼働と避難計画がリンクをしない、実効的な避難計画がなくても原発の稼働が認められるという事態になっているんです。  私は、このように避難計画が国際基準とかけ離れている状況を、早急に是正すべきだと考えます。具体的には、新規制基準に第五層の住民避難計画を位置づけるべきです。そして、避難計画を原子力規制委員会の審査や認可の対象にし、その手続を法令によって明確にするなど、国の法的責任を明確にする必要があると考えますが、知事職務代理者はどう考えられますか、お答えください。  次に、いわゆる地元同意権について質問します。答弁にありましたように、再稼働に当たっての自治体の同意については法令上特段の規定はなく、その仕組みもありません。また、国は地元の範囲を示す考えはないというふうに常々言っております。知事職務代理者は、地元同意の範囲は国が責任を持って決めていただきたいとした上で、地元同意について、全ての例で原発の立地自治体である県と市町となっているとして、原発再稼働については立地自治体の判断が尊重されるべきであると答弁されました。答弁にある地元同意の範囲は国が決めるべきとは、国に対して県として働きかけるということか、いま一つはっきりしません。また、これまでの例という意味ですけれども、一般的な理解では、自治体と電力事業者が結んでいる安全協定に盛り込まれた事前了解が主な根拠とされてきたことを指していると思います。  そこで、知事職務代理者が地元同意の範囲を国が決めるべきという答弁を受けて、再質問いたします。福島第一原発事故を受けて、国は三十キロ圏(UPZ)の範囲内にある自治体に、避難計画の策定を義務づけしました。玄海原発から三十キロ圏内、八市町のうち佐賀県伊万里市、長崎県松浦市、平戸市、壱岐市の四市町と、松浦市、平戸市、壱岐市の三市議会が再稼働に反対しています。また、三十キロ圏外で佐賀県の神埼市、嬉野市両市長も再稼働に反対しています。私は、三十キロ圏内の自治体が、原発の安全性の確認を国任せにせず、自分たちが避難計画の実効性も含めて不十分だと判断すれば、再稼働に待ったをかけることは当然だと考えます。本来、地元同意権とはそうあるべきだと考えます。地元同意の範囲は国が決めるべきとの職務代理者の答弁が、三十キロ圏の糸島市を抱える福岡県としての責任逃れであってはならないと考えます。  そこで知事職務代理者にお聞きします。三十キロ圏の自治体の同意を再稼働の条件として、法令に明記するよう国に働きかけていくべきと考えますが、どう考えられますか、知事職務代理者の考えをお答えください。  再質問の最後に、原発再稼働について県民の理解は得られたかとの質問には、全く答えられませんでした。答えになってないでしょう。職務代理者、わかりますかね。県民の理解は得られたのか、再質問いたします。明確にお答えください。  以上です。 63 ◯議長(樋口 明君) 知事職務代理者服部副知事。 64 ◯知事職務代理者・副知事(服部 誠太郎君)登壇 お答えを申し上げます。  新規制基準と国際原子力機関(IAEA)の深層防護についてでございますが、原子力規制委員会は、災害対策基本法及び原子力災害対策特別措置法におきまして、緊急事態に対する準備等における役割と責任を割り当てられております国、地方公共団体、原子力事業者等が実効的な避難計画などの策定や訓練を通じた検証などを行っていることから、第五層の防護レベルにおいて求められている措置は担保されており、IAEAの安全基準に抵触するものではないとしているところでございます。  次に、広域避難計画の実効性と再稼働についてでございます。先ほどもお答えをいたしましたとおり、計画の実効性を高めるために毎年度訓練を実施しておりまして、その検証を繰り返しておりますことから、県として着実に実効性が高まっているというふうに考えておるところでございます。また、県境をまたぐ広域的な避難につきまして、国、佐賀県及び長崎県とともに玄海地域の緊急時対応として取りまとめておりまして、これは国の原子力防災会議において、県や市の避難に関する計画の内容も含め具体的かつ合理的であると確認され、了承されているところでございます。さらに、原子力防災対策の継続的な改善強化について、国が関係自治体と一致協力して取り組んでいくことが確認できたところでございます。県といたしましては、今後とも訓練の実施とその検証を重ねていくことによりまして、広域避難計画の実効性を高めてまいる考えでございます。  再稼働の同意権につきましては、先ほどもお答えしましたとおりでございまして、県といたしましては、原子力発電所の再稼働について、立地自治体の判断が尊重されるべきと考えております。  再稼働に対する県民の理解についてでございます。先ほどお答えいたしましたとおり、住民説明会で出されましたさまざまな御意見、御質問などにつきましては、説明会において国や九州電力から説明が行われますとともに、説明会後の回答とあわせまして、県や糸島市のホームページでも掲載し、周知をしておるところでございます。さらに、住民説明会での御意見、糸島市からの要請を踏まえまして、県として国や九州電力に申し入れも行ったところでございます。このようなことから、県民の皆さんに対する理解というものは進んでおるというふうに考えておりまして、これからも原子力発電所の安全性につきましては、国が責任を持って確認、確保いたしまして、電力事業者とともに国民の皆様に対し十分な説明を行い、理解を得ていく取り組みを続けていただきたいと考えております。 65 ◯議長(樋口 明君) 川崎俊丸君。 66 ◯五十八番(川崎 俊丸君)登壇 そうですね、幾つか聞かないかんと思います。  まず、国際的な基準を満たしているかというIAEAの深層防護ということについて、私は、知事職務代理者の答弁は、この深層防護の考え方というのを理解してないというふうに思います。第一層から第五層までのそれぞれの段階で、その防護措置、第一層やらは設備基準ですけれども、そういうことをきっちりやって、万全の措置を講ずる。それが、もし破られても第二層でカバーでき、それが破られても第三層でカバーでき、第四層のシビアアクシデントが起こったとして、それが破られても、最終的に第五層でそれを、住民の避難という形で万全を期すという、この仕組みになっているということです。日本の新規制基準が、第五層を除外しているというのは、本当に勝手な判断ですね。IAEAが提唱する国際基準とは全く違う考え方になっているということなんです。そこをどう職務代理者は捉えてあるかということが、私が問いたかったことなんです。そこはぜひ、もう一つお答えください。
     広域避難計画の実効性、あるいは県民の理解を得られたか、いずれも御答弁としては、今までの範囲に終わっています。広域避難計画と県民の理解ということで言いますと、五月一日付で、職務代理者は御存じかどうかわかりませんが、糸島市議会の市議会議員の方、二十一名いらっしゃいますけれども、この方々に対して、市民団体の皆さんがアンケート調査を実施しているんですね。二十一名の市議会議員がいらっしゃいますけれども、そのうち十二名の方が回答を寄せられた。回答を寄せられた全員の方が、避難計画の実効性について、避難計画については不十分だと、市民を代表する立場の市議会議員の皆さんが、そういう形で意思表明をされている。もちろん原発再稼働に賛成か、反対かというのは、いろいろ考え方はあります。しかし、それを超えて、この避難計画の実効性について、あるいは市民の理解が得られているかということについては、そういう実態があるということなんです。ここを、私は最後に、県民の理解を得られたんですかと聞いたのは、そういうことをちゃんとわかって、県としての対応を考えていらっしゃるんですかということを聞いているんです。糸島市の市議会議員に対するそういうアンケートにおいて、避難計画が不十分だというふうに指摘をされていること、そして、それにあらわされておりますように、県民の理解が得られたのかということについては、全く具体的に答えられていません。得られているのかどうかということを聞いているんです。県の立場として国に、あるいは九州電力に、これからも努力を求めていくというのは、それはそれで結構ですけれども、少なくとも小川知事は、再稼働について同意されたわけですよ。佐賀県知事の判断を尊重するという言い方で同意されたんです。同意をされた根拠を、だから、県民の理解を得られたというふうに、自信があるんだったら、そう言えばいいじゃないですか。県民の理解は得られているんだと、何を言っているんだというふうに返されて結構ですよ。それだけ自信があるなら、そういう御答弁を再度お願いをしたいと思います。  最後に、再稼働の同意権については、せっかく国が法的に決めるべきだというふうにおっしゃっていますので、これはぜひ要望しておきたいと思いますが、国に対してしっかり働きかけていっていただきたい。  今言いました点について、再度知事職務代理者の御答弁をお願いいたします。 67 ◯議長(樋口 明君) 知事職務代理者服部副知事。 68 ◯知事職務代理者・副知事(服部 誠太郎君)登壇 まず、IAEAの深層防護との関係についてでございますが、これは繰り返しになりますけれども、原子力規制委員会におきましては、緊急事態に対する準備等における役割と責任、これを割り当てられております国や地方公共団体、原子力事業者等が実効的な避難計画等の策定、訓練を通じた検証を行っていることから、第五層の防護レベルにおいて求められている措置は担保されているというふうにしておりまして、IAEAの安全基準に抵触するものではないというふうにされているところでございます。  それから、広域避難訓練の実効性の問題でございますが、県といたしましては、この広域避難訓練、これを今後も繰り返し実施し、またその検証も重ねていくことによりまして、広域避難計画の実効性を高めてまいる考えでございます。  それから、県民の理解についての御質問がございました。県といたしましては、先ほど御答弁申し上げましたような県のホームページ等も通じた周知にも努めておるところでございまして、さらに住民説明会での御意見、あるいは糸島市からの御要請も踏まえまして、国や九州電力にも申し入れを行ったところでございます。これからも原子力発電所の安全性につきましては、国が責任を持って確認、確保した上で、電力事業者とともに、国民の皆様に十分な説明、そして理解を得ていく取り組みを続けていただきたいと考えております。 69 ◯議長(樋口 明君) 川崎俊丸君。 70 ◯五十八番(川崎 俊丸君)登壇 御答弁いただきましたけれども、全く答弁になっていません。理解できません。納得できません。これは、職務代理者にこれ以上聞いても同じことなんだろうと思います。ぜひ、小川知事が復帰をされたら、改めて機会があれば、引き続き議論させていただきたいというふうに思います。  最後に意見を申し上げます。福島第一原発事故を受けて、二〇一二年九月に原子力規制委員会の委員長に就任され、新規制基準を策定されるなど、五年間、原子力規制委員会の委員長を務められた田中委員長は、委員長としての任期の終了を前に、九月二十日、最後の記者会見を行われました。その内容が、昨日の新聞に掲載されておりました。それによると、田中委員長は、原子力に賛成か、反対かだけでなく、政策のあり方を国会で深く議論してほしいと、規制委員会だけで原子力を運転しているのではないと発言されたそうです。新聞は、安倍政権が、規制委員会が認めた原発は再稼働すると繰り返し述べている現状への異論と見られると報じています。原子力規制のトップが、現状に対して異議を表明したということは、日本の原子力施策の現状を反映しているというふうに言えます。国及び電力事業者、関係自治体を含めて、私たちは原子力規制のトップである田中委員長が残された言葉をしっかり受けとめなければならないというふうに考えます。  国際基準を満たす安全性の確保や広域避難計画の実効性を中立的立場から審査する仕組みをつくることや、少なくとも三十キロ圏の自治体には地元同意権を与えることなど、福岡県も玄海原発の地元という意識を持ってしっかり取り組んでいくべきと考えます。  最後に、県民の皆さんの理解が、また糸島市民の理解が得られていない中での玄海原発三、四号機の再稼働は、絶対に認められないということを強く訴えて、私の質問を終わります。(拍手) 71 ◯議長(樋口 明君) 阿部弘樹君。(拍手) *阿部議員質問 72 ◯四十八番(阿部 弘樹君)登壇 自由民主党県議団の阿部弘樹です。通告に基づきまして、世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群に寄与する道路整備についてお伺いいたします。  私ども自民党県議団が世界文化遺産への登録に向け、当時の藏内会長のもと応援してまいりました「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群が、去る七月九日に、ついに世界文化遺産に登録されました。イコモスの勧告では十分な理解が得られず、八つの資産のうち四つの資産を登録から除外されるように求められた条件つきの勧告であり、手放しでは喜べない厳しいものがございましたが、私たち地元関係者、県、政府とが一体となり、諦めることなく資産の価値について理解を得る努力を重ねたことで、全ての資産が登録されるに至ったものであると考えております。私の地元福津市においても、大きな歓喜に沸いたところであります。私も、津屋崎町長時代から、地元の福津市にある新原・奴山古墳群の文化的、歴史的価値を評価し、ぜひ保存しなければならないと努力して取り組んでまいりましたので、今回の登録は感慨深いものがあり、地元としましても大いに喜ばしいことであると思っております。  世界遺産は、八つの資産で構成されており、沖ノ島は海の正倉院とも言われるように、四世紀後半から約五百年間にわたり、航海安全のための祭祀を行っていた跡などが、厳格なタブーの継承により、当時のまま手つかずに残っております。また宗像大社においても、その信仰の場を受け継ぎ、現在まで継承されてきました。そして、地元の福津市には新原・奴山古墳群があります。この古墳群は、五世紀から六世紀にかけて築かれたものであり、かつての入り海に面した高台に、前方後円墳や円墳など大小四十一基もの古墳が良好な状態で残されております。これは、海を越えた交流に従事し、沖ノ島で祭祀を担った古代豪族である宗像氏の存在を物語る重要な古墳であります。  世界文化遺産の登録は、国や民族を超えて人類共通の顕著な普遍的価値を有する建物や遺跡などを守り、後世へと引き継いでいくことを目的としているものであります。まさしく今回の登録は、これらの資産の文化的な価値が世界に認められたものであり、古代から現在まで守り続けられてきた重要な資産を、これから未来へ伝えていくため、資産の保存の必要性は言うまでもありません。  その一方で、観光の側面から申しますと、世界文化遺産への登録により、観光地としての知名度やブランド価値が向上し、観光客の増加につながるものであると期待をしているところであります。実際に、富士山や明治日本の産業革命遺産などの例を見ますと、登録後に観光客が増加しているところであります。今回の世界文化遺産の登録を機に、文化的、歴史的に結びついた資産を一体的な資産として有効に活用することが、今回の世界文化遺産の登録を観光振興や地域活性化につなげることになると考えております。そのためには、増加が見込まれます観光客に対して、これからどのような対策を行っていくかが課題となります。  そこでお尋ねします。まず、世界遺産へのアクセス強化についてであります。今回の登録により、自動車やバスを利用した観光客が増加することが考えられます。これらの観光客の増加に対応するためには、世界遺産へのアクセス強化を図るための道路や地域の主要施設を有機的に結ぶための道路網を確立することが重要であると考えられます。特に、遠方からの観光客に対応した道路の整備が必要であると考えますが、どのような考えで取り組みを行い、進めていくか、知事職務代理者にお尋ねいたします。  一方で、観光客は自動車やバスなどで直接訪れる人ばかりではありません。鉄道といった公共交通機関を利用して訪れる観光客も数多く見込まれるのではないかと考えております。駅などの交通拠点から他の交通機関に乗りかえて世界遺産の資産へ円滑に移動するためには、駅からのアクセス道路の整備もあわせて必要であると考えられますが、このことについて、どのように進めていくのか、知事職務代理者にお尋ねします。  最後に、構成資産への適切な誘導についてであります。今回の登録により、車で初めてこの地を訪れる観光客も見込まれます。観光客が迷わず、円滑に構成資産にたどり着けるように誘導することも大切であると考えられますが、適切な誘導を行うためにどのような対策を行うのか、また日本の文化や伝統に関心のある外国人観光客に対しても、わかりやすい誘導となるよう、どのような配慮を行うのか、知事職務代理者にお尋ねいたします。(拍手) 73 ◯議長(樋口 明君) 知事職務代理者服部副知事。 *知事職務代理者答弁 74 ◯知事職務代理者・副知事(服部 誠太郎君)登壇 御答弁を申し上げます。  「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群に寄与する道路整備について御質問がございました。まず、世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群へのアクセス強化を図るための道路の整備についてでございます。このたびの世界遺産登録を契機といたしまして、今後、高速道路を利用した遠方からの観光客の増加も予想されます。このため、九州自動車道のインターチェンジから世界遺産の構成施設へアクセスする道路の整備が重要であると認識をいたしております。現在、九州自動車道の若宮インターチェンジや筑豊方面からのアクセス強化を目的といたしまして、県道飯塚福間線の見坂トンネルを、来年春の供用開始に向けて整備を進めているところでございます。  次に、鉄道の駅から世界遺産へのアクセス道路の整備についてでございます。世界遺産への最寄り駅でございますJR福間駅、JR東郷駅の周辺におきましては、渋滞の緩和や歩行者の安全を確保するため、福津市、宗像市と連携をいたしまして、福間駅松原線、福間駅前線、東郷駅前線を整備をしておるところでございます。このうち、福間駅松原線は、新原・奴山古墳群へ通じる国道四百九十五号に接続しておりますことから、今年度中にその一部区間を供用できるよう整備を進めております。県といたしましても、これら駅周辺の道路整備は世界遺産へのアクセス向上にも寄与いたしますことから、早期完成に向け鋭意取り組んでまいります。  最後に、構成資産への適切な誘導について御質問がございました。世界遺産の指定に当たり、県外からの観光客及び外国人観光客を初め、地理に不案内な観光客の方でも円滑に不自由なく構成資産を周遊できるよう、わかりやすい道路案内標識の整備を行うことは大変重要であると認識をいたしております。このため、県ではこれまでに国など関係する道路管理者と連携をいたしまして、構成資産周辺の道路案内標識の整備を進めますとともに、日本語と英語による構成資産名の併記や、イメージを図記号化しましたピクトグラムの表示も行ってきたところでございます。今後とも、道路利用者のニーズの把握に努めまして、さらなる案内の充実を図ってまいります。 75 ◯議長(樋口 明君) 以上で一般質問を終わります。 *決算特別委員会設置  日程に従い、決算特別委員会の設置についてお諮りいたします。  さきに上程いたしました決算関係議案を審査するため、三十一名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。           〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 76 ◯議長(樋口 明君) 御異議がありませんので、そのように決定いたしました。 *同委員選任  それでは、ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任を行います。  お諮りいたします。同委員の選任については、この際議長の指名に御一任願うこととし、お手元配付の委員一覧表のとおり指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。           〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 77 ◯議長(樋口 明君) 御異議がありませんので、ただいま指名いたしましたとおり選任することに決定いたしました。      ────────────────────────────────────────── *議案審査付託 78 ◯議長(樋口 明君) 次に、提出議案審査のため、さきに上程いたしました第一〇一号議案から第一一九号議案まで、及び第一二一号議案から第一四〇号議案までの三十九件を、お手元に配付いたしております議案付託表のとおり所管の常任委員会並びに決算特別委員会に付託いたします。      ────────────────────────────────────────── *議案の委員会付託省略 79 ◯議長(樋口 明君) 次に、議案の委員会付託の省略についてお諮りいたします。  さきに上程いたしました第一二〇号議案については、委員会への付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。           〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 80 ◯議長(樋口 明君) 御異議がありませんので、そのように決定いたしました。 *請願上程  次に、請願三件がお手元配付の請願文書表のとおり提出されましたので、これを一括報告上程いたします。      ────────────────────────────────────────── *審査付託 81 ◯議長(樋口 明君) ただいま上程いたしました請願三件は、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  本日はこれをもって散会いたします。           午 後 三 時 五十七分  散 会 Copyright © Fukuoka 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